『ADHDの僕が苦手とされる事務にとことん向き合ってみた。』書籍紹介
株式会社大和書房から、2025年7月24日に発売される『ADHDの僕が苦手とされる事務にとことん向き合ってみた。』は、著者である小鳥遊氏(たかなし)の実体験を基に、ADHDの傾向を持つ人々が直面する「事務」への苦手意識を克服するための方法を探求する試みです。
著者は、自身がADHDと診断されてからの仕事の経験をもとに、特に「事務」と呼ばれる業務がどのように自身に影響を及ぼしたのかを赤裸々に語ります。多くの人は「事務」と聞くと、堅苦しいイメージを抱くかもしれません。しかし、本書ではその重要性を再認識し、事務をいかに味方につけていくかに焦点を当てています。
事務とは何か?
著者によると「事務」とは、目標を達成するための確実なプロセスであり、地味かもしれませんが、全ての仕事に欠かせない要素です。特にADHDを持つ人々にとっては、事務は様々な障害が伴うものですが、それこそが克服すべき対象なのです。
本書は、事務に苦手意識を持つ方々に、具体的な解決策を提示しています。例えば、
- - 抜け漏れやケアレスミスの頻発
- - 先送りしてしまう習慣
- - 段取りが苦手
- - 集中力の欠如
これらの課題に対してどのように対処していくか、実体験に基づいた具体例と工夫が語られています。
各章の内容について
書籍は以下の目次で構成されています:
1. 事務には、決まった「型」がある
2. つい先送りしてしまう
3. 何から手をつけていいかわからない
4. 段取りがよくわからない
5. すぐ気が散って集中できない
6. 仕事が気になって心が休まらない
7. 抜け漏れ、ケアレスミスが多い
8. 人付き合いが不器用
これらの章を通して、著者は事務に関する確固たる“型”の重要性を訴え、特にADHDの特性を持つ人がその“型”を自分なりに形成していく道筋を示しています。
自らの経験を活かす
小鳥遊氏は、タスクデザインラボの代表として、長年の経験から独自のタスク管理手法を編み出しました。自身が抱えていた事務に対する苦手意識を克服するため、Excelを使ったツールの自作に取り組み、その過程で得た知見は、社会福祉法人との連携により一般にも広がっています。著者の経験は、同じように苦しむ人々にとっての大きな希望となることでしょう。
現在はフリーランスとして、自身のノウハウを広めるための活動を行っており、ADHDに関する講演や執筆活動も行っています。多くの人にとって事務というテーマは近寄りがたいものですが、本書を手に取ることで、そのイメージが一新されることでしょう。
まとめ
『ADHDの僕が苦手とされる事務にとことん向き合ってみた。』は、ただの「事務仕事攻略本」ではありません。この書籍は、ADHDの特性を生かしながら、自分自身を理解し、事務に対する苦手意識を克服するための道しるべを示す一冊です。これから新たな一歩を踏み出したいすべての人に贈りたい書籍です。