小林エリカさんの新作が大きな栄誉を得る
作家でありアーティストの小林エリカさんが、株式会社文藝春秋から刊行した最新作『女の子たち風船爆弾をつくる』が、第78回毎日出版文化賞を受賞しました。この賞は1947年に創設され、毎年優れた著作物や出版活動を表彰するもので、今年も多くの素晴らしい作品の中から選ばれる光栄を手にしました。
作品の概要
本書は、日露戦争から30年経った日本を舞台に、少女たちの日常を描いています。彼女たちは新しい東京宝塚劇場に飛び込んで夢中になり、華やかな舞台の魅力に心を奪われます。しかし、そんな期待に満ちた日々も、次第に戦争の影が忍び寄ってきます。日常が変わり始める中、彼女たちは運命を大きく変える出来事に巻き込まれます。
物語は彼女たちが兵器、特に風船爆弾の製造に従事することになった背景を描写しています。彼女たちの声をもとに綴られたポエティックな長篇作品で、記録と取材を元にした彼女たちの生き様に深く迫っています。
著者の意図とメッセージ
小林さんは、この作品が風船爆弾という歴史的な事象や、それに関わった少女たちの人生を忘れ去られないようにするためのものであるとしています。彼女は多くの人々の声を聞き取り、彼女たちの存在を記憶として形にすることの重要性を強調しています。受賞の際に、「この本が歴史を伝えるための大切な一部となることが嬉しい」と語った小林さんの思いは、多くの読者に伝わることでしょう。
小林エリカさんのプロフィール
東京都生まれの小林エリカさんは、作家、マンガ家として多くの著作を発表してきました。彼女の作品は、さまざまなジャンルで幅広く読まれており、特に『マダム・キュリーと朝食を』や『トリニティ、トリニティ、トリニティ』などが評価されています。
受賞に寄せる思い
小林さんは受賞を発表するコメントの中で、これまで自らが聞き取り、記録した女の子たちの物語が評価されたことに深い感謝の意を示しました。彼女は「一人ひとりの尽力が、この本に繋がった」と語り、さらにその思いが未来へと続くことを期待しています。彼女の作品が、出版や文化への関心を持つ多くの人々にとって、とても価値のあるものになることは間違いありません。
書誌情報
『女の子たち風船爆弾をつくる』は2024年5月15日に発売予定です。定価は2750円(税込)で、本書はISBN978-4-16-391835-8となっています。
書籍へのリンクはこちら:
文藝春秋
小林エリカさんの最新作は、私たちに忘れられた歴史を想起させ、そこに生きた少女たちの存在を教えてくれる貴重な作品です。ぜひ、手に取ってみてください。