女性のための新たな武道プロジェクト、ガーディアン・ガールズ・ボビナムが始動

女性のための新しい武道プロジェクト、ガーディアン・ガールズ・ボビナム

国際的な連携による新プロジェクトの発足

2023年9月、ベトナムが舞台で新たな国際プロジェクト「ガーディアン・ガールズ・ボビナム（Guardian Girls Vovinam）」が正式に始動しました。このプロジェクトは、国際ガーディアン・ガールズ（GGI）、世界ボビナム連盟（WVVF）、国連人口基金（UNFPA）ベトナム事務所、さらには駐ベトナム日本国大使館が連携して実施されます。主な目的は女性と少女のエンパワメントや、ジェンダーに基づく暴力の予防です。

フォーマルな発足式が行われたのは9月16日、ベトナムのハノイにある駐ベトナム日本国大使公邸です。この式典では、GGIの会長である小山田真氏とWVVFの会長、マイ・フー・ティン博士が協定に署名し、両団体がグローバルに連携することを決定しました。この瞬間は、国際武道とジェンダー平等の推進が結びつく重要な事例として、広く認識されています。

ボビナムとその意義

ボビナムは、ベトナムの伝統的な武道であり、打撃技と組技を融合させた独自のスタイルで知られています。2023年には、ベトナムの国家無形文化遺産に正式に認定され、その地位を確立しました。ガーディアン・ガールズ・ボビナムプロジェクトは、この武道の精神や技術を活かし、女性と少女に向けて身体的な強さだけでなく、規律、尊敬、自信などの武道の価値観を教えることを目指しています。

このプロジェクトは、世界70カ国以上の競技連盟と独占的なパートナーシップを結ぶことで、本格的に展開されます。特に、ベトナムは東南アジアの中で、このプロジェクトの最初の運営国となることが期待されています。それにより、地域全体の女性のエンパワメントを促進し、暴力防止の文化を広めることを目指します。

発足式とプロジェクトの進行

発足式には、国際的なリーダーや外交関係者が集まり、約50名が出席しました。この席には、米国大使やEU大使、タイ大使など、各国の特命全権大使も含まれており、国際的な支持の姿勢が明らかになりました。メディアの取材も受け、式典の模様は国内外で報道されました。

また、発足式の翌日には、約30名の女性を対象に護身術の「GGVセミナー」が開催され、実際にボビナムの技術を学ぶ機会が提供されました。このセミナーは成功裡に終了し、テレビ局VTVによって取材され、後日全国放送される予定です。

各国からの新たなサポート

日本の駐ベトナム大使の伊藤直樹氏は、「日本は長年にわたって女性と少女のジェンダー平等の推進に取り組んできました」と語り、ガーディアン・ガールズ・プロジェクトの支援を通じて、伝統と革新の両立を目指す決意を示しました。

さらに、GGIの小山田会長は、「このプロジェクトは、ただのスポーツではなく、変革と自由を実現するための重要な取り組みです」と、プロジェクトの意義を強調しました。UNFPAのマット・ジャクソン所長も、地域文化に基づいた持続可能な解決策を示し、プロジェクトの重要性を訴えています。