能美市での住民主体の避難所開設訓練
2025年10月25日、石川県能美市で地域住民が主体となって避難所を開設するための訓練が行われました。この訓練は、能美防災株式会社と市が協力し、避難所開設支援アプリ『N-HOPS』を利用して実施されたものです。近年の災害時において、迅速な初動が求められる中、地域住民が自主的に避難所を開設できる体制の構築が急務となっています。
実施の背景
災害発生直後には、職員がすぐに現場に駆けつけることができないケースが多く、地域住民による初動対応の重要性が増しています。能美市では、防災士連絡協議会の市民と共に『N-HOPS』を用いた訓練を行い、誰でも迷わずに避難所を開設できる仕組みの実証を目指しました。
訓練の内容
この訓練は、能美市根上勤労者体育センターで、能美市の防災士連絡協議会に所属する市民を対象に行われました。訓練は二部構成で、前半は従来の避難所運営マニュアルを基にした作業を行い、後半は『N-HOPS』を使用した開設作業を行いました。これにより、各作業にかかる時間や参加者の自信度を測定しました。
訓練の結果
訓練の結果、従来のマニュアル運用では手順の確認や必要な備品を探す作業に手間取る場面が見られました。その一方で、アプリを使用したグループは、画面に表示された指示に従って行動でき、開設作業にかかる時間を約54%短縮することに成功しました。また、参加者からは、アプリの指示に沿って行動すれば設営できるとの意見や、訓練を通じて知識が定着するという声が寄せられ、避難所開設に対する自信度は平均4.57ポイント上昇しました。
自治体防災における意義
この実証実験は、住民主体の避難所運営を支援するためのデジタル技術の有効性を示すものでした。『人に依存しない初動体制』を確立するために、マニュアルの整備と共にデジタルアプリの利用が期待されています。
今後の展開
能美市では次回、自治体の職員や関連施設のスタッフを対象とした訓練を予定しており、今後さらに多様な課題解決に向けて『N-HOPS』の機能向上と導入を進めていく方針です。
N-HOPSとは
『N-HOPS』は、避難所開設と運営を支援するためのクラウドアプリで、マニュアルのデジタル化を実現します。スマートフォンやタブレット上で『今やるべき作業』をガイドするこのアプリにより、住民も職員も同じ手順で避難所の開設や点検作業を行えるようになります。
全国の自治体で導入が進んでおり、今後も多くの地域での実證が期待されます。詳細は能美防災株式会社の公式サイトでご確認ください。
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各種お問い合わせ
能美防災株式会社 総合企画室
担当:山田、河野
TEL:03-3265-0218