香りを活用した研究
2025-03-31 13:32:47

新しい香りの可能性を追求。三生医薬が製剤研究を発表

新たな香りの可能性を探る試み



三生医薬株式会社が先日開催された「日本農芸化学会2025年度大会」で発表した研究が注目を集めています。本研究では、ユーザーが「口に入れて香って効く」新しい製剤設計の可能性に焦点を当て、香気成分がどのように体内に作用するのかを探る試みです。特に、香料の知覚がどのように変化するのかをリアルタイムで測定する技術を用いることで、新たな製品開発に指針を提供することに成功しました。

香りの知覚とレトロネーザル経路



私たちが香りを感じる方法は、香水やアロマが鼻から入る「オルソネーザル香」と、食品や飲料からの香りが口腔内から鼻へと抜ける「レトロネーザル香」に分けられます。この研究では、特に後者の経路に着目し、香料の効果的な配合方法を探求しました。しかし、これまでは製剤ごとにレトロネーザル香の強さやその感じ方に関する詳細な研究が行われておらず、商品設計における課題の一つとなっていました。

実験とデータ収集の手法



研究チームは、口に入れて香る製剤の設計において、さまざまな製品を比較検討しました。実験には17名の健康な参加者を募り、特に一般的に使用される食品香料のリモネンと酪酸エチルを配合した複数の製剤を咀嚼することで、どの程度の香料が鼻に抜けるのかを調査しました。この実験により、リアルタイムの香強度測定を行い、被験者が感じた香りの強度や咀嚼タイミングを同時にモニタリングしました。

研究成果の意義



実際のデータによれば、新食感カプセルはシームレスカプセルと比較して、香料ごとにレトロネーザル香が2~3倍高い強度で感じられる結果が得られました。この背景には、咀嚼の回数が新食感カプセルの方が多いことが大きく影響していると考えられます。また、チュアブル錠と発泡錠の比較では、発泡錠が香料の量あたりの香強度で優れていると明らかになりましたが、咀嚼回数は発泡錠の方が少なく、データから新たな発見を得ることができました。これにより、製剤設計の際に必要な香料の量を決定する指針が得られることが期待されます。

学会での反響と展望



発表後、参加した企業や大学の研究者からは多くの興味深い意見が寄せられました。健康機能を持たせた香料の開発には高い関心が寄せられており、香りのデータを利用した製品開発への期待が伺えました。特に、「安全性を担保しつつ機能性を強化する新しい香料原料の開発には参考になる」といったコメントが印象的です。

今後、三生医薬は新食感カプセルや発泡錠などの製品展開を進め、この研究成果を通じて機能性香料を活用した新たな製品開発を加速させていく方針です。研究開発部の山田和哉、黒野昌洋、大石悠太郎の各氏は、共同研究に関心のある方々と積極的に連携し、香りの持つ力をさらに科学的に解明する意向を示しています。

最後に



三生医薬株式会社の常務取締役研究開発本部長、又平芳春は「香りの可能性を追求し、機能性食品やサプリメントの新たな価値を探求していく」と力強く語っています。今後もこの研究がどのように進展し、人々の生活に新しい香りの楽しみをもたらすか注目が集まります。


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会社情報

会社名
三生医薬株式会社
住所
静岡県富士市厚原1468
電話番号
0545-73-0611

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