衛星データと車両走行データが水害対策に貢献
近年、気候変動の影響を受けた異常気象が増加し、全国的な水害のリスクが高まっています。このような中、株式会社スペースシフトがトヨタ自動車と協力し、新たな水害対策技術を開発したことが発表されました。この技術は、衛星からのデータと車両の走行データを組み合わせることで、リアルタイムの災害状況把握と効果的な先行対策を実現します。
技術開発の経緯
2024年4月、スペースシフトとトヨタ自動車は、水害対策に関する共同開発の覚書を締結しました。これにより、衛星データとコネクティッドカーから得られるデータを融合した技術が開発されることとなりました。特に、SAR衛星から得られるデータは、昼夜を問わず、もちろん天候に関係なく観測が可能であり、非常に有効です。これにより、浸水エリアや通行不能な道路の把握が容易になります。
災害対応の迅速化
今回の技術によって、浸水や冠水の分析結果を基にした通行不能なエリアの特定が可能になります。これにより、迅速な災害対応や避難指示が実施しやすくなります。また、災害復旧時のスムーズな物流を支援する道筋も提供されることが期待されています。特に過去のデータを基に、今後の水害の浸水区域を事前にシミュレーションすることで、より精度の高いハザードマップ作成が可能になります。
共同開発のシナジー効果
トヨタ自動車は、標高情報や走行データから浸水域や通れない道路を推定し、一方でスペースシフトは人工衛星データを駆使して浸水域を解析します。互いのデータは補完関係にあり、高いシナジー効果が見込まれています。
今後の取り組み
令和3年のデータによると、全国の水害被害は約3,600億円という数字が出ており、この課題への取り組みは社会にとって極めて重要です。スペースシフトはトヨタ自動車との連携を深め、実際の社会への実装を進めていく予定です。
展示会情報
この技術は「人とくるまのテクノロジー展 2025」にて展示される予定です。
横浜会場
- - 展示会名: 人とくるまのテクノロジー展 2025 YOKOHAMA
- - 開催日時: 2025年5月21日(水)〜 5月23日(金)
- - 開催場所: パシフィコ横浜 / トヨタ自動車出展ブース内
名古屋会場
- - 展示会名: 人とくるまのテクノロジー展 2025 NAGOYA
- - 開催日時: 2025年7月16日(水)〜 7月18日(金)
- - 開催場所: Aichi Sky Expo(愛知県国際展示場)/ トヨタ自動車出展ブース内
会社紹介
株式会社スペースシフトは、2009年に設立され、地球観測衛星からのデータをAIで解析し、人間を超える認識能力を追求しています。防災・減災や環境保全など、多岐にわたる分野での持続可能な社会の実現を目指しています。
- - 代表者: 金本成生
- - 所在地: 東京都千代田区大手町1-6-1
- - 設立日: 2009年12月11日
- - 資本金: 6億3800万円
- - URL: スペースシフト