大阪芸術大学とBunkamuraが手がける新しい文化ツーリズム
大阪芸術大学(塚本学院)と株式会社東急文化村(Bunkamura)は、国内外の文化・芸術を広く楽しんでもらうことを目的として、産学共創企画を推進しています。特に注目なのは、2023年6月に開催された『マンガデザインで北海道をメタバース』というイベントです。この取り組みでは、北海道の魅力をマンガデザインを通じて表現した作品をメタバース内で展示し、多くの人々にその魅力を伝えました。
そしてこの度、彼らの新企画『マンガデザインで文化ツーリズム』が始まりました。これは、北海道だけでなく日本各地の豊かな文化をテーマにした作品を定期的に公開する試みです。デザイン学科やキャラクター造形学科など、さまざまな学科の学生が参加し、47都道府県の文化をマンガデザインⓇという形式で表現しています。
文化をテーマにしたマンガデザインへの取り組み
この企画では、日本の文化が幅広く取り上げられます。出展される文化には、歴史や祭り、伝統工芸、地域の特産物に至るまで、さまざまな側面があります。選ばれた作品は、マンガデザインプロデューサーである吉良俊彦氏の監修のもと、作品の意図や背景に関する情報も掲載されます。この試みにより、各地域へのツーリズムへの関心を高めることを目指しています。
サイトは、大阪府を皮切りに、兵庫や京都など関西圏から始まり、47都道府県を巡る予定です。特に2025年の大阪・関西万博を前に、多くの人にその魅力をアピールする機会が増します。
マンガデザインⓇとは
マンガデザインⓇは、日本発のオリジナルなグラフィックデザインの形式であり、クライアントのニーズに応じた柔軟なアプローチと、マンガの特性であるストーリーテリングを融合させることで、視覚的なコミュニケーションの新たなスタイルを生み出しています。これにより、地域の文化や特性を視覚的に伝えることができ、各地域への興味を引き起こしています。
作品紹介と具体例
現在、いくつかの作品が公開されています。その中でも、大阪府に関する作品には、以下のようなものがあります:
和泉蜻蛉玉の輝き (デザイン学科 Y.Y.)
小さな蜻蛉玉を拡大して、美しさを際立たせる技法で表現しています。
たこ焼き+妖怪「白坊主」 (キャラクター造形学科 M.T.)
大阪に伝わる妖怪「白坊主」がたこ焼きを楽しむシーンが描かれています。
また、兵庫県に関する作品もあります:
国生みの島・淡路島 (美術学科 R.M.)
『古事記』の神話を基に描かれた作品で、日本の起源に迫る題材となっています。
京舞 (キャラクター造形学科 N.M.)
祇園における京舞の所作を独自のスタイルで表現した作品です。
これらの作品を通じて、地域の文化や芸術への理解が深まることを期待しています。
吉良俊彦氏について
マンガデザインの分野で活躍する吉良俊彦氏は、上智大学法学部を卒業後、株式会社電通に入社し、数々のクリエイティブなプロジェクトに携わってきました。特にマンガをコミュニケーションツールとしてビジネスに応用するための取り組みを推進し、多くの成功事例を積み上げています。
3Dビジョン広告の展開
現在、原宿のT’s oneビル屋上において、『マンガデザインで文化ツーリズム』に関する3Dビジョン広告が10月31日まで放映中です。マンガデザイン作品が立体的に表現され、多くの人々の目を引いています。さらには、今後も文化ツーリズムに関する動画配信が予定されており、これによりさらなる広がりが見込まれます。
Bunkamuraオープンヴィレッジは、文化体験と交流を通じて地域への貢献を目指しています。これらの取り組みが、日本の文化の理解や交流に大いに寄与することを期待しています。