未利用資源を活用した新たな美しさの提案
株式会社ファーメンステーションが手がける「ゆずさのうエキス」が、ポーラの新商品「From Loss To Beauty」シリーズに採用されます。このエキスは高知県のゆずの未利用部位から開発され、美容液に利用されることで、その価値が再認識されることとなりました。特に「ゆずのさのうエキス」は、ゆずの搾汁粕から抽出された成分で、貴重な保湿力を誇ります。
発酵技術の成果
ファーメンステーションは、発酵技術を用いて未利用資源を活用し、サステイナブルな社会を目指すスタートアップです。未利用資源の中でも特に、廃棄される運命にあった「さのう」に注目。一般的に青果として消費される風味豊かなゆずですが、その搾汁過程で出る3,600トンものパルプが廃棄されています。これを有効活用するために、ファーメンステーションは2021年に高知県と協力し、製品化に向けた研究開発を開始しました。
新商品情報
2025年11月1日、ポーラから発売される「フロムロストゥービューティー メルティボディババロア」は、その保湿成分として「ゆずのさのうエキス」を採用しています。内容量は170g、税抜価格は4,200円です。この製品は、地域の持つ未利用資源に新たな命を吹き込むものとして注目されています。
産官学の連携
ポーラは東京工科大学とも協力し、「ゆずのさのうエキス」の検証や分析を行っており、研究の成果を商業化する過程では産業界と学術界の知恵を集めています。このような産官学連携によって、未利用資源が持つ真の価値を引き出す取り組みが進められています。
サステイナブルな未来に向けて
ファーメンステーションが追求するのは、未利用バイオマスの有効活用です。食品製造工程から出る余剰物をアップサイクルし、機能性バイオ素材へと変換することに努めています。具体的には、食品ロスの削減や地域循環型社会の構築に貢献するため、発酵技術や独自のデータベースを駆使しています。
企業の理念
ファーメンステーションの企業理念は、「発酵で楽しい社会を!」というもので、地域社会や環境に配慮した事業活動を展開しています。廃棄物を減少させ、持続可能な未来を実現するため、地道な努力を続けています。
企業の成果として、国際的な「B Corp 認証」を取得しており、地域や環境に配慮した企業活動が評価されています。また、経済産業省からも革新性の高い企業として「J-Startup」に選ばれるなど、その取り組みは高く評価されています。
結論
ファーメンステーションが手掛けた「ゆずさのうエキス」は、ただの美容成分の枠を超え、地域の資源を活かしたサステイナブルなプロダクトとして注目を集めています。未来に向けて、未利用資源のアップサイクルがいかに重要か、改めて考えるきっかけとなりました。このような取り組みによって、美しさだけでなく、持続可能な社会を実現するための一歩が踏み出されています。