藤井郁美氏、新たな挑戦を始める
元車いすバスケットボール日本代表の藤井郁美氏が、株式会社INSPLICTとマネジメント契約を締結しました。彼女は、15歳で悪性骨肉腫を発症し、大手術を経験。この困難を乗り越え、高校の恩師に導かれる形で車いすバスケットボールと出会い、20歳から本格的に競技を始めました。
短期間でその実力を証明した藤井氏は、日本代表にも選出され、2008年の北京パラリンピックで初出場を果たしました。以降も彼女は日本代表チームの中心選手として活躍し、特に2021年の東京大会では「ダブルキャプテン」として女子代表チームを牽引しました。
競技生活の中で、藤井氏は出産と育児というライフイベントも経験しましたが、それでも競技を続け、「宮城MAX」の一員として日本選手権11連覇に貢献する偉業を達成しました。
しかし、彼女の人生は順風満帆とは言えませんでした。3度目の大病である乳がんを患い、多くの試練を乗り越えながらも、藤井氏は今もコートに立ち続けています。彼女の姿は多くの人々に勇気と希望を与えています。
藤井氏がマネジメント契約を結んだINSPLICTでは、スポーツを通じて「命と向き合うこと」や「自分らしく生きる」ことをテーマにした講演活動を展開していく予定です。
藤井氏の思い
藤井氏は、これまでの人生で何度も立ち止まり、そして何度も立ち上がってきたと語っています。ガンや難病、出産・育児、競技におけるプレッシャーと、それぞれの局面で自分自身と向き合いながら、他者の支えによって救われてきた経験を持っています。
「今や、伝えることが新たな挑戦だと感じています。」と藤井氏は述べ、「私の人生経験を通じて得た知見を、誰かの心に届く形で表現していきたい。」と強い意志を示しました。
彼女は、尊敬する先輩である京谷和幸さんの指導の下で、新しい一歩を踏み出せることを心強く感じています。彼女が発信する予定のテーマは、「命と向き合うということ」と「母であり、アスリートであり、私である」という内容です。
INSPLICTの役割
株式会社INSPLICTは、アスリートマネジメントを中心とするスポーツに関する事業を展開している企業で、スポーツの力を活かして社会貢献を果たすことを目指しています。具体的には、アスリートのキャリア形成やイベント企画、さらにはマーケティング活動などを手掛けており、「きっかけプロジェクト」を通じて、障がいのある子どもたちへの支援も行っています。
藤井郁美氏の新たな挑戦を通じて、彼女の経験が次世代へと受け継がれることを期待しています。彼女の言葉がどのような影響をもたらすのか、今から楽しみです。