新スタジアムがもたらした環境負荷の大幅な軽減効果とは

新スタジアムが環境に与える影響

広島市中心部に誕生した「エディオンピースウイング広島」は、2024年に開業した新しいまちなかスタジアムです。この施設がもたらす環境への影響が注目されており、特に試合観戦に伴う二酸化炭素排出量の削減が実証されました。

環境負荷削減の具体的な数値

最新の研究によると、エディオンピースウイング広島での試合において、来場者の移動による二酸化炭素排出量は、旧本拠地の広島広域公園陸上競技場での試合と比較して、1試合あたり約38%減少したと推計されています。

特に、広島市内に居住する来場者においては、二酸化炭素の排出量が約61%もの減少を見せており、その背景にはスタジアムへの移動距離が短縮されたことや、公共交通機関へのアクセスが向上したことがあると考えられています。

行動変容がもたらす影響

研究によれば、サッカー観戦の「コア層」とされる来場者は、1年間に6試合以上を観戦する傾向にあり、この層の来場者がより多く公共交通機関を利用していることが明らかになりました。逆に「ライト層」は1〜5試合の観戦にとどまる中、交通手段の変更が少なかったことが示されています。これは、コア層の意識と行動が環境負荷軽減に寄与している一因とされています。

研究の背景

この研究は、株式会社サンフレッチェ広島の協力の下、東京大学スポーツの価値学寄付研究部門の研究グループが中心となって実施されました。このタスクには、明治安田生命保険相互会社及び公益社団法人日本プロサッカーリーグ（Jリーグ）が支援を行っており、サステナブルな都市計画におけるスポーツの役割を評価しています。