ニューノーマル時代の働き方
新型コロナウイルス感染症の影響で、テレワークが普及する中、リモートワークに伴う孤独感や連帯感の欠如といった心理的な課題も浮き彫りになっています。これらの問題を解決するため、株式会社ZENKIGENの研究チームが新しいテクノロジーの可能性を探求しました。
ZENKIGENの取り組み
東京・港区に本社を持つZENKIGENは、リモートワーク環境において従業員が感じる「孤独」を解消するための研究を行っています。特に注目されたのが、テレプレゼンス技術を用いたシステムで、この研究は青山学院大学の野澤研究室と共同で実施されました。
研究の背景
リモートワークは、働き方の柔軟性を提供する一方で、チーム間のつながりが希薄になることも懸念されています。コロナ禍以降、オフィス勤務からの移行が進む中で、この孤立感を不安要素として捉える企業が増えてきました。そこで、新たなテレプレゼンスシステムの導入が提案されていますが、映像や音声をそのまま共有することには、注意を奪ったりプライバシーを侵害するリスクがあるため、このトレードオフを克服することが求められています。
新技術の可能性
この研究では、リモートワーカーが「誰かと一緒に働いている」と感じることを促進しつつ、プライバシーにも配慮するための映像加工方法が探求されました。具体的には、匿名化技術を使った映像の共有が、どのようにチームの連帯感に影響を与えるかを実験し、以下の成果が得られました。
- - 匿名化映像による連帯感の向上:参加者が匿名化された映像の中で作業することにより、「共に働いている感」を高めることができるという結果が出ました。
- - 作業効率への影響なし:映像を共有した場合でも、主観的な作業効率に差は見られず、作業に対する妨げになることがないという可能性も示されました。
- - 違和感の存在:一方で、匿名化処理に対する違和感や煩わしさが参加者に生じることも確認され、これを解消するためのさらなる研究が必要とされています。
研究成果の意義
本研究の重要なポイントは、プライバシーを守りつつもチームワークを高める新しいテクノロジーの開発に対する一歩であるということです。コロナ禍でリモートワークが叫ばれる中、技術と人間の関係性を見直すことが求められています。
ZENKIGENの未来
ZENKIGEN Labの橋本一生氏は「リモートワークにおける新たな働き方を提案し、個々の事情に寄り添うことでチームの一体感を高める可能性を探ります」と述べました。これからも、テクノロジーが人々のウェルビーイング向上に貢献する新しいソリューションの開発を目指していくことでしょう。
会社概要
株式会社ZENKIGENは2017年に設立され、AIテクノロジーを活用した採用支援サービス「harutaka」を提供しています。700社以上の導入実績を持ち、個々のニーズに応じたソリューションを展開しており、今後も様々なテクノロジーを用いた働き方の支援を行っていく予定です。