エコモットのGRIFFY、建設現場の健康管理を進化させる「GenVital」

エコモット株式会社は、同社の連結子会社であるGRIFFYが、株式会社大林組と共に開発した体調管理ソリューション「GenVital」を、2024年から施工される建設現場で数千人規模での利用を開始します。このサービスは、作業員の健康管理を効率的に行うためのもので、2025年にも引き続き運用される予定です。

GenVitalの特長と効果

「GenVital」は、心拍数や位置情報、暑さ指数といったデータを収集し、独自の計算アルゴリズムで作業員の体調をリアルタイムで監視します。データが特定の閾値を超えた場合には、即座に作業管理者にアラートが送信され、迅速な対応が可能となります。

2024年の試行結果では、約3000人の作業員が利用し、体調不良の発症率をなんと0.1%に抑えることに成功しました。この結果は、大林組の施工する約60の現場で実証され、特に熊本城土木工事事務所の工事長である清水英児氏も「作業員別に体調管理を行え、体調悪化時にアラートが即時に通知され、作業を安全に遂行できた」と述べています。

システムの構成

「GenVital」は、専用のリストバンド、データを集約する親機、中継機の3つの構成要素から成り立っています。リストバンドは作業員の心拍数を測定し、親機はクラウドサーバにデータを送信します。このデータは、1分ごとに更新され、作業管理者はリアルタイムで健康状態を確認することができます。

通信方法にはLTEだけでなく、衛星回線や光回線も利用可能で、電波が届かないような建設現場でも活用できるのが大きなメリットです。リストバンドの製造はホシデン株式会社が行い、環境モニタリングについては、株式会社オーク情報システムの「SisMil」を使用しています。

未来の展望

2025年には、「GenVital」の改良版である「GenVital LTE」も登場する予定です。この新たなシステムの導入により、さらに多くの建設現場における作業員の健康管理が強化されることが期待されています。

エコモットとGRIFFYについて

エコモットは2007年に創業以来、IoT専業のソリューションベンダーとして活動しており、センサーや通信デバイスを用いた多様なソリューションを提供しています。GRIFFYは建設業界に特化し、DXプロダクトを開発・提供している企業です。両社はこの取り組みにより、建設現場における安全性の向上と作業効率の最大化を目指しています。