新たな時代の設備監視「Sushi Sensor」
横河電機株式会社は、2026年2月に新製品の「4ch無線振動センサ」を国内で発売すると発表しました。本製品は、同社が展開するOpreX™ Asset Managementラインの一部であり、広範囲な設備監視を可能にする技術を搭載しています。
4ch無線振動センサの特長
この新しいセンサは、無線通信モジュールと振動測定モジュールを備え、最大4つの振動ピックアップを接続する設計となっています。特に、振動ピックアップが5メートルのケーブルで接続可能なことで、従来のセンサでは設置の難しかった狭いスペースや高温の環境下でもデータの取得が可能です。この機能により、より多くの設備を効率的に監視できます。
さらに、取得したデータは横河電機のクラウド型ソフトウェアによって分析され、故障の早期発見や原因の特定をサポートします。これにより、保全活動が可視化され、迅速な判断が求められる現場での意思決定が格段に向上します。
開発の背景とニーズ
近年、プラントや工場の設備保全は従業員の負担となっており、特に人手不足や技術の継承が深刻化しています。こうした状況下で、有効な保全活動を行うためには、限られたリソースでの効率的かつ正確な作業が求められています。
横河電機は2018年から「Sushi Sensor」XSシリーズを通じて、振動、温度、圧力、スチームトラップの状態を簡単に監視できるデバイスを提供してきました。しかし、現場のニーズに応えるために、より高度な多チャネル無線振動センサを開発しました。
監視範囲の拡大
4ch無線振動センサは、振動ピックアップの分離構造を採用しており、従来のセンサでは困難だった設置環境に適応できます。このセンサは、低周波振動に対応しつつ、高周波振動も監視可能になりました。
この特徴により、ベアリングやギアの振動を効率よく監視し、異常の早期発見につなげることができます。
設備診断支援機能
本製品は、1台で最大4チャネルの同時測定が可能です。このメリットにより、異なるデータの比較・分析が容易になり、故障個所の特定が迅速化します。また、振動波形データをリアルタイムで取得し、クラウド型の「広域モニタリングシステム」と連携することで、FFT解析を行い故障原因を突き止める支援を行います。
さらに、「広域モニタリングシステム」では、振動状態を可視化するダッシュボードが提供されており、多角的な分析が可能です。また、LoRaWANのダウンリンク機能により、遠隔からのセンサー設定も容易に行えます。
主な市場と用途
「Sushi Sensor」4ch無線振動センサは、石油、化学、電力、食品などの多様なプラントで使用されるコンプレッサーやポンプ、モーター等、幅広い設備の振動や温度を測定する目的で特化しています。これにより、より安全で安心な設備保全が実現されるでしょう。
まとめ
横河電機の「Sushi Sensor」は、データの価値を最大限に引き出す情報テクノロジーとして、効率的な設備管理や保全活動の向上に貢献しています。新製品の4ch無線振動センサは、工場やプラントの未来を切り開く革新的なソリューションとなることでしょう。未来の設備監視を支えるこのセンサから目が離せません。