三菱重工グループの一員である三菱重工サーマルシステムズ株式会社が、今春に熱源総合制御システム「エネコンダクタ」の新モデル「EC-8」を市場に投入することが発表されました。この新システムでは、最大で8台のターボ冷凍機を同時に制御でき、業界内でも大規模な設備に対応可能な設計がされています。
「エネコンダクタ」は、ターボ冷凍機を効率的に稼働させるための高度な運転制御ノウハウを活用し、冷水の流量や冷却水の制御を実施します。その結果、設備全体の運転を自動的に最適化し、消費電力を最大26%削減することが実現可能です。また、個別のシステム設計や工事作業の手間を軽減することで、導入の容易さも大きな特徴です。さらに、既存の設備に追加で設置することも容易で、設備全体を新しくすることなしにさらなる省エネを実現できる利点もあります。
新しい「EC-8」は、個別のポンプ方式に加え、東南アジアや中東でよく用いられる共通ポンプ方式にも対応しています。通信プロトコルには、従来の「Modbus®」に加え「BACnet®」も新たに採用され、これにより上位の監視制御システムとリアルタイムでのデータ通信が可能になりました。この機能改善により、制御の即応性が向上し、新しい技術における施工管理もグッと楽になりました。
三菱重工グループは、2040年のカーボンニュートラル達成を目標に掲げており、その実現のために自社工場からのCO2排出量削減や、顧客が使う製品のCO2排出量削減に取り組んでいます。そして、三菱重工サーマルシステムズは、一般的な空調設備、工場の空調、地域冷暖房システムなどで広く使用されているターボ冷凍機を供給しており、その市場シェアは国内トップを誇ります。
今後も三菱重工サーマルシステムズは、顧客のニーズに応じた製品提供だけでなく、環境負荷の少ないターボ冷凍機や熱ソリューション製品の開発を通じ、持続可能な社会の実現に寄与していくことでしょう。新型「EC-8」の登場により、中小から大規模な施設まで、より多様なニーズに応えることが期待されています。これからの展開に注目が集まります。
詳しい情報は、三菱重工業株式会社のウェブサイトやオンラインマガジン「SPECTRA」、公式Twitterなどで発表されていますので、ぜひこちらもチェックしてください。