LINEヤフーが発表した広告サービス品質透明性レポート
現在のデジタル広告市場において、ユーザーや広告主の信頼を確保するため、LINEヤフー株式会社が2024年度の上半期にあたる透明性レポートを公開しました。このレポートは広告サービスの品質向上を図る一環として、広告審査の実績を示しています。特に、初めてYahoo!広告とLINE広告に関連する偽広告の実態も取り上げられました。
レポートの主なポイント
この透明性レポートは、LINEヤフーのサービスを安心して利用できるようにすることを目的とし、2019年度から毎年発表されています。今回のレポートの中で、なりすまし型の「偽広告」に関する情報が初めて追加され、ユーザーからの広告掲載停止の申告は0件だったと報告されています。
対照的に、Yahoo!広告やLINE広告の掲載基準に基づいて非承認となった広告の件数は多く、具体的には未認証のLINE公式アカウントへの友だち追加を促すものが2,715件に達しました。これは、悪質な広告手法を排除しようとするLINEヤフーの取り組みを反映しています。
Yahoo!広告の非承認実績
Yahoo!広告においては、2024年度の上半期に約8,900万件の広告素材が非承認となりました。これは昨年同期と比較して大幅な増加であり、特にURLの誤りによる広告の表示不具合が主な原因として挙げられています。
非承認率の増加は、ユーザーの意に反する広告が多かったことも影響しており、LINEヤフーはこの現象の改善に向けた対策を進めています。
LINE広告の非承認基準
一方で、LINE広告についても2024年度上半期に約102,000件の広告素材が非承認とされています。非承認の約8割が画像や動画に関するものであり、最も多い理由は法令に抵触する内容であることが確認されています。
具体例として、化粧品や健康食品の効果を誇張した表現が多く見受けられました。このような非承認が多くなることを防ぐため、LINEヤフーはクリエイティブの品質を一層重視する方針を取っています。
無効なトラフィックの排除
さらに、レポートでは、無効なトラフィックに関する情報も紹介されています。LINEヤフーは、広告主に対して無駄なコストをかけさせないよう、無効なクリックやインプレッションを排除しています。2024年度上半期には、無効なトラフィックによって約190億円相当の広告費が節約されています。
今後の展望
今後、LINEヤフーではYahoo!広告とLINE広告の基準を統一し、さらなる品質の向上に努める予定です。すでに一部の基準が統一されており、今後の進展に期待が寄せられています。これにより、ユーザーがより安心して広告を利用できる環境が整備されることでしょう。
この透明性レポートは、デジタル広告業界の信頼を高め、企業側がユーザーに誠実にサービスを提供している姿を見せる良い機会となっています。