シマアオジの越冬個体数を守るための一歩
シマアオジ(Emberiza aureola)は、かつて1億羽が確認されていたユーラシアの広大な草原に生息する小鳥です。しかし、近年急激に個体数が減少し、2025年には日本での繁殖が確認されないという危機的状況に陥りました。1980年代まで北海道では広く観察されていたシマアオジですが、現在ではその姿をほとんど見ることができません。そのため、特定非営利活動法人バードリサーチおよび公益財団法人日本野鳥の会は、シマアオジの保護を目的にクラウドファンディングを実施し、初となる多国間合同の越冬地調査を実施しました。
調査の背景
シマアオジの個体数減少は、渡りのルート上での食用としての捕獲や、生息地の消失が主な要因とされています。国境を越える渡り鳥の保全には、地域を超えた協力が不可欠です。そのため、調査者や研究者の国際的なネットワークを構築して、シマアオジを取り巻く環境の変化やその影響要因を把握することが求められています。
クラウドファンディングの成功
調査への準備として、2025年9月から11月にかけての期間で、のべ411名から461万円の寄付を得ることに成功しました。この資金を基に、2026年2月中旬から3月中旬にかけて、ネパール、ミャンマー、タイ、カンボジアの4か国で越冬調査を実施しました。調査の結果、16か所のねぐらで合計187,310羽のシマアオジが確認され、特にタイでは126,076羽が記録されました。
調査の意義
この調査は、シマアオジの越冬地における個体数把握の重要な一歩となりました。また、シマアオジに限らず、農地や草原に生息する他の鳥の保全にもつながる可能性があります。これによって、今後の保全活動や政策に必要なデータを提供することができるでしょう。さらに、この調査の実施により、国際的な鳥類保護ネットワークの強化にも寄与することが期待されます。
今後へ向けて
バードリサーチと日本野鳥の会は、2026年9月から11月に再度クラウドファンディングを実施し、2027年の調査を目指します。今後もシマアオジを含む草原性鳥類の保護活動を強化し、より多くの国で調査を行うつもりです。シマアオジの個体数減少は、彼らだけの問題ではなく、他の草原生物への警鐘でもあります。これまでの調査を生かし、アジア地域における鳥類保全への取り組みをさらに進めていく必要があります。
問い合わせ先
- 代表 高木憲太郎
- Tel: 042-505-4044
- Email:
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- 常務理事 葉山政治
- Tel: 03-5436-2633
- Email:
[email protected]
この取り組みが、シマアオジを守るための新たな未来の一助となることを願っています。