島食の寺子屋:伝統を学び、未来を創る
島根県北部に位置する隠岐諸島・海士町にある「島食の寺子屋」は、料理を学びたい人々にとっての新たな拠点です。2019年度に設立されたこの学校は、自然豊かな環境の中で旬の地元食材を使った和食を学び、実際に料理の現場で成果を試すことができる貴重な機会を提供しています。
設立の背景
「島食の寺子屋」は、かつて丸の内にあった『しち十二候』の総料理長である斎藤章雄氏と地元の海士町役場による共催で生まれました。このプロジェクトの目的は、料理人を目指す学生たちが食材や料理と真剣に向き合うことができる場所を作ることでした。
斎藤氏が注目したのは、海士町での長年の「半農半漁」の生活様式です。この島では、水、米、野菜、漁業、畜産といった多様な食材が手軽に入手でき、それぞれの分野でのつながりを深めながら料理を学ぶ理想的な環境が整っています。これにより、学生は食材の出自や調理法のみならず、食に関する幅広い知識を実践的に身につけることができます。
カリキュラムの特色
1.
少人数制の教育
「寺子屋」と名付けられた通り、各生徒の目標や技術的なニーズを大事にし、個別にカリキュラムを進められています。10人程度の少人数により、教員との距離も近く、深い学びを実現しています。
2.
素材へのこだわり
カリキュラム内では、生徒が自ら食材の仕入れを行うことが求められます。講師の指導のもと、海、山、里へ出向き、その日収穫された旬の食材と対峙することで、食材の目利きや出自を学びます。これによって、食材に対する理解が深まり、より良い料理が生まれる基盤が築かれます。
3.
創造力を育む
生徒は、手に入れた旬の食材を使って、決まったレシピに沿って料理をするのではなく、自由にメニューを考案する力を養います。さらに、観光客相手に実際に料理を提供する実習も含まれ、卒業後は即戦力として活躍できる人材を育成しています。
実施期間と申し込み
2021年度の1年間コースは、2021年4月1日から2022年3月末までの間に行われます。また、島食の寺子屋では通年で「素材と向き合う」ための短期集中講座も提供しており、随時申し込みを受け付けています。
詳しい情報や申し込みについては、公式サイトをご覧ください(
公式HP)。
「島食の寺子屋」は、料理の基本を学びつつ、その奥深さを感じ、未来の料理人を育成する促進の場として多くの人々にとっての魅力あふれる学びの場となっています。