食事が変える介護
2013-10-31 13:30:07
食事が変化することで介護がより良くなる 〜在宅介護者1,000名調査の実態〜
介護と食事、両者の深いつながり
近年、在宅介護が増える中で、介護者にとって「食事」の重要性が改めて認識されています。とある調査では、約1,000名の在宅介護者を対象に介護の実態を探ったところ、食事がもたらす影響と介護者の精神状態についての興味深い結果が得られました。
一日最大9時間の介護時間
調査結果によると、在宅介護を行っている多くの人が一日最大で9時間も介護に従事しているとのこと。特に、要介護度が高い方の介護では、長時間を介護に費やすことが一般的です。用意された食事の準備や介助には、かなりの時間がかかるため、介護者にとって大きな負担となります。
また、介護が長期化すればするほど、要介護者の状態は悪化し、介護者自身もストレスを感じやすくなります。実際に、「自責の念を持ったことがある」と答えた介護者は約60%に達するとの結果が出ています。これは、介護者が感じるプレッシャーや疲れの大きさを示しています。
食べることが持つ力
調査では、要介護者の78%が「食べられない」という現実が浮き彫りになりました。その一方で、62%の要介護者が「食べること」を一番の楽しみと感じているのです。このように、食事は要介護者にとって重要な役割を果たしていることが分かります。
介護者にとっても、要介護者が「食事を食べてくれたとき」に喜びを感じることが多く、その瞬間が慰めとなります。したがって、介護の中でも特に「食事」に注力することが、両者に良い影響を与えると言えるでしょう。
介護度による食事の変化
ところが、要介護度が高まるにつれて、常食を食べる割合は減少します。要介護5になると、常食を食べられるのはわずか17%です。多くの要介護者は、食べることに対して拒否感を抱くことも増え、介護者のストレスも同様に高まります。
要介護者の中には、家族と同じ食事を細かく刻んで提供するケースも多いですが、そうなると食事の見た目や味の良さが失われがちです。「何を食べているか分からない」といった状況は、要介護者の食欲をさらに減退させる要因ともなり、悪循環を生じます。
新しい介護のひらめき
このような問題を解決するために、提案されているのが「感食介護」という新しいアプローチです。食に伴う楽しみやコミュニケーションを通じて、要介護者のQOL向上を図り、介護者の負担を軽減するという考え方です。特に注目されているのが、摂食回復支援食「あいーと®」です。これは、食材の考慮が施され、わずかに加工された素材により、食べやすくなっている食事です。
まとめ
高齢化社会が進む近年、在宅介護における食事の重要性はますます増しています。食事は単なる栄養源にとどまらず、生活の質を向上させる要素であることが、今回の調査から明らかになりました。介護者と要介護者の両方が「食べる楽しみ」を再発見することで、介護環境はより良いものへと変わることを期待したいものです。
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