乳児用粉ミルクの新基準
2007-08-23 21:55:52
乳児用粉ミルクにアラキドン酸の重要性が認知される!最新ニュース解説
日本における粉ミルクの新たな挑戦
最近、コーデックス総会において乳児用粉ミルクに関する新たな国際規格が決定されました。この規格では、粉ミルクにDHA(ドコサヘキサエン酸)を添加する際に、アラキドン酸(ARA)も同時に考慮することが望ましいとされました。この動きは、赤ちゃんの脳の発達において重要な役割を果たすアラキドン酸に対する理解が深まったことを示しています。
アラキドン酸の重要性
アラキドン酸は、母乳に含まれる必須脂肪酸の一つで、特に脳の機能に深く関与しています。最近の研究により、アラキドン酸は記憶や神経の健康に寄与することが示唆されています。しかし、乳児用の粉ミルクの基本原料である牛乳には、アラキドン酸がほとんど含まれていません。したがって、粉ミルク一つで赤ちゃんの栄養を補うのは難しいのが現状です。
コーデックス規格の意義
コーデックスは1962年に設立された国際的な食品規格の策定機関で、現在170カ国以上が参加しています。今年の7月に行われた総会では、DHAが添加された粉ミルクに対し、アラキドン酸の添加も求められるようになったのです。これは、粉ミルクが母乳に近い栄養価を持つことを意図されており、赤ちゃんにとって必要な栄養素が十分に提供されることを目指しています。
日本の状況
日本でもアラキドン酸を含む乳児用粉ミルクが販売されていますが、その含有量は母乳と比べるとまだ不足しています。日本のAES(アラキドン酸)含量は、他の国と比べるとやや少ないと言われています。DHAは日本人の母乳に含まれる量が比較的多く、魚を頻繁に食べる文化が影響していますが、アラキドン酸はその半分程度の含有量です。このため、アラキドン酸の摂取が特に重要とされています。
研究結果と臨床的考察
アラキドン酸とDHAの組み合わせが乳児の知能及び運動能力の向上に寄与することが、いくつかの研究で証明されています。近年の実験では、DHAもアラキドン酸も含まない粉ミルクと、DHAのみ、DHAとアラキドン酸の両方を含む粉ミルクで育てられた乳児の知能や運動能力を測定しました。その結果、DHAとアラキドン酸の両方が加えられたグループが、特に知能や運動能力の点で優位性を示しました。
今後の展望
武田英二教授は、コーデックスの新しい規格の採択により、乳児用粉ミルクの規格にアラキドン酸を加える動きが日本でも具体化する可能性があると考えており、今後の動向が注目されます。新しい栄養基準がどのように実現されるか、また粉ミルク製品におけるアラキドン酸の役割がどのように変化するかに期待が寄せられます。
日本の赤ちゃんたちが、より健康に成長するために必要な栄養が添えられることを願い、これからの動向に目を光らせていきたいと思います。アラキドン酸をはじめとする重要な栄養素が、乳児の成長に寄与することが期待されます。
会社情報
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日本ブレインヘルス協会
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