AICX協会が新たに立ち上げた「人事AI変革推進委員会」
日本におけるAI技術の進展は目覚ましく、企業の人事や組織戦略にも大きな影響を与えています。そんな中、一般社団法人AICX(AI Customer Experience)協会が新しく「人事AI変革推進委員会」を設立したことを発表しました。この委員会は、AI技術の社会実装を推進し、企業の顧客体験(CX)の向上に寄与することを目的としたものです。
設立の背景
AI技術は、もはや導入の有無を問うものではなく、いかに活用して組織と人材を進化させるかが今のビジネス環境での課題となっています。特に人事部門は、従来の採用や評価の業務にとどまらず、AIとの協働を前提とする新たな役割の構築が求められています。このため、本委員会の設立に至りました。
主な課題認識
1.
ソフトスキルの重要性: AIが進化する中で、「問いを設定する力」といった人間にしかできないスキルが求められています。
2.
人事部門の高まり: 人事部門や組織開発部門もAI導入において重要な役割を果たすことが認識されています。
3.
協働の必要性: AIと人間が真に協力する未来のために、人事部門の役割が根本から見直されています。
委員会の目的
本委員会は、次の4つの目的を掲げています。
1.
組織のあり方の研究: AIエージェントと共存するための効果的な組織構造や労働環境の提案を行います。
2.
必要なスキルの明確化: AI時代に必要なスキルセットを特定し、リスキリング戦略を提言します。
3.
人事の役割の再定義: 新たな人事部門の機能と役割を示し、戦略的関与を促進します。
4.
産業界への貢献: 調査結果や実践的なガイドラインを発信し、日本企業の変革を支援します。
主な活動内容
本委員会は以下の活動を行います。
- - 調査・研究: 国内外企業のAI導入による組織の変革事例をまとめ、AI活用における倫理や人事の役割について研究します。
- - レポート・提言書の発行: 人事機能の各分野に焦点を当てた白書を発行し、今後の方向性を示します。
- - ワークショップ・セミナー: 人事や経営層を対象にした勉強会やパネルディスカッションを開催し、AI活用のケーススタディを共有します。
委員会メンバー
本委員会は、各分野の専門家で構成されています。委員長には、株式会社グロービスのマネジング・ディレクターである鳥潟幸志氏が就任しました。彼は、生成AIの可能性を広げるためには、技術と組織の「分断」を乗り越える必要があると述べています。
今後の展開
本委員会は、2025年に開催される「HR Tech Vision 2025」において登壇し、生成AI時代における人事の可能性を議論する予定です。また、AICX協会が主催する「AI Agent Day 2025 Summer」でも、委員会メンバーによる議論が行われる予定です。
まとめ
「人事AI変革推進委員会」の設立は、AI技術の進化する現代において、人事部門が果たすべき役割を明確にし、産業界全体の変革をリードする重要なステップとなるでしょう。AIと人間の協働する未来の働き方を共に追求していく姿勢が期待されます。AICX協会の活動に注目が集まっています。