ペロブスカイトの未来
2025-09-10 11:23:56

リコー・大和ハウス工業・NTTアノードエナジーが挑む新世代ペロブスカイト太陽電池の未来

リコー・大和ハウス工業・NTTアノードエナジーが取り組む新世代太陽電池



リコー、大和ハウス工業、NTTアノードエナジーの3社からなるコンソーシアムが、ペロブスカイト太陽電池の社会実装に向けた技術開発と実証事業を開始しました。このプロジェクトは、国立研究開発法人NEDOのグリーンイノベーション基金に見込まれ、今後の再生可能エネルギーの普及に大いに貢献することが期待されています。

ペロブスカイト太陽電池とは?


ペロブスカイト太陽電池は、次世代の太陽光発電技術として注目を集めています。特に、インクジェット印刷技術を用いることで、これまで難しかった耐荷重性の低い建物や壁面への設置が可能になる点が魅力です。従来のシリコン系太陽電池に比べ、コスト面でも優れた性能を発揮します。

この技術を用いることで、複雑な施工が不要になり、より多様な環境での電力供給が可能になります。リコーはこの新技術の開発において、インクジェットヘッドやロールtoロール搬送技術など、先進的な技術を統合し、高変換効率・高耐久性・低コストの実現を目指しています。

コンソーシアムの役割


リコー


おもに、インクジェット印刷による太陽電池の生産技術を担い、製品の性能向上とともに生産性を高めていくことを重視しています。これは、自社の複合機の開発で得た豊富な知識と技術を応用するものです。特に、カスタマイズの自由度が高いという特長が、デザイン性や設置場所による対応の幅を広げています。

大和ハウス工業


また、大和ハウス工業は戸建住宅や商業施設など、幅広い構造物での実装を担当しています。彼らは、環境に配慮した設備の導入技術を活用し、特に大型物流倉庫やデータセンターの外壁など、多様な建築物に対する最適な施工技術の開発を進めます。これにより、ペロブスカイト太陽電池の使用をさらに広げることに貢献します。

NTTアノードエナジー


さらに、NTTアノードエナジーは、60年以上の経験を生かして、電装設計や発電特性の計測に関してサポートします。具体的には、太陽光発電の発電量に影響を及ぼす要因である不均等な日射問題を解決するための新たなアプローチを提供します。独自開発したパワーコンディショナの導入により、発電量の効率を向上させる技術が開発される予定です。

将来に向けての展望


この実証プロジェクトは、2029年度までの5年間にわたり進められ、2030年度までに年間製造能力300MW以上、発電コストを14円/kWhとすることを目指しています。この取り組みは、ペロブスカイト太陽電池がBIPV(建材一体型)やBAPV(建物据付型)としての導入を促進するための重要なステップとなるでしょう。

各社は、屋根や外壁の部材メーカーと連携しながら、研究開発段階から未来の社会実装を視野に入れた計画を進めています。これにより、持続可能な社会の実現に向けた一歩を踏み出すことが期待されています。


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会社情報

会社名
大和ハウス工業株式会社
住所
大阪府大阪市北区梅田3-3-5
電話番号
06-6346-2111

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