日本初の民間月面着陸へ向けた大きな一歩
株式会社ispace(以下、ispace)は、2025年に予定される日本初の民間月面着陸を目指し、着実に成果を積み上げています。5月28日午後5時27分(日本時間)、ispaceのMission 2「SMBC x HAKUTO-R VENTURE MOON」において、円周回を実現する軌道制御マヌーバの成功を発表しました。この達成により、着陸シーケンスへと移行する準備が整い、いよいよ6月6日午前4時24分に予定されている月面着陸へと計画が進行しています。
着実な成果と進捗
ispaceの技術者たちは、日本橋に位置するHAKUTO-Rミッション・コントロール・センターから、5月27日に軌道制御マヌーバを開始しました。約10分にわたる主推進系の燃焼を無事に完了し、円軌道への投入が成功しました。その後の確認作業でも追加の軌道修正が不要であることが確認され、円周回軌道に到達したRESILIENCEランダーは現在、月をおよそ100kmの高度で周回しています。
これに続き、RESILIENCEランダーは月周回軌道への到達を果たし、近月点はおよそ70km、遠月点は約5,800kmの楕円軌道で周回中です。着陸の際には、6月6日の午前3時20分ごろから降下を開始し、約1時間後にMare Frigoris(氷の海)への軟着陸を目指しています。また、代替着陸地点も3カ所用意されており、状況に応じた着陸日の変更の可能性もあります。
HAKUTO-Rの意義と次なる挑戦
このミッションは、2025年1月15日に打ち上げられたRESILIENCEランダーによるもので、これは民間企業による商業用の月着陸船として史上初めての成功を収めました。地球から最も離れた地点までの軌道をつなぐ大規模な旅を経て、無事に月周回軌道へ到達することができました。ispaceの代表である袴田武史氏は、この大きな進歩について「まだ残る2つのマイルストーンも達成し、最後の挑戦に備える段階です。人類の可能性を宇宙に広げるというミッションを形にするために、6月6日に向けての準備を進めています」と語っています。
月面着陸応援会と未来へのビジョン
また、ispaceでは2025年6月6日の月面着陸を見守るため、特別なライブ配信を行います。日本、アメリカ、ルクセンブルクの関係者が集合し、成功の瞬間を共に喜ぶ予定です。配信は公式YouTubeチャンネルで行われ、午前3時10分からリアルタイムで視聴できます。
今回のミッションはispaceにとって重要なステップであり、今後は更に多くのミッションが待っています。2027年にはミッション3および4を計画しており、これによりより高精度で効率的な月面輸送サービスの提供が可能になるでしょう。ispaceの宇宙開発に向けた挑戦は続き、私たちの未来を大きく変える可能性を秘めています。
まとめ
ispaceが先進的な技術と国際的な協力を通じて、持続可能な宇宙開発を進めようとしている今、6月6日の月面着陸に期待が高まります。私たちもその瞬間を見届ける一員となり、宇宙探査の未来にワクワクしていきましょう。すべての成功を手にする日は近いのです。