創業125年の企業が若手大工を育成する努力を支えるセミナー開催

若手大工育成セミナーが成田市で開催

日本の建設業界は現在、深刻な人手不足に直面しています。総務省による調査データによると、1980年には93万人いた大工が、2015年には35万人に、そして2030年には20万人まで減少すると予測されています。この逼迫した状況の最大の要因は高齢化です。実際、大工の約40%が60歳以上を占め、10代や20代の大工はわずか1割未満という厳しい現実があります。このままでは住宅の需要に対して大工の数が不足し、「家が建たない時代」が訪れると危惧されています。

この問題に立ち向かうべく、創業125年を迎えるハウジング重兵衛は、新たな取り組みを開始しました。当社は、住宅とリフォームの分野で大工や職人の重要性を認識し、正社員として職人を雇用しています。また、複数の工事を一手に担うことができる『多能工職人』の育成にも力を入れています。現在、当社では新卒の21歳から50代のベテラン職人まで、30名が正社員として活躍しています。

さらに、職人不足の根本原因である職人志望者の減少を止めるために、労働環境の改善にも取り組んでいます。芝浦工業大学との共同研究として、職人の技術を客観的に評価する制度の導入を進めており、これにより職人が適切に育成されることを目指しています。

この度、当社の職人雇用や育成に関する取り組みを広く知っていただくことを目的に、視察セミナーを開催します。全国から40社、100名の参加者が集まるこのセミナーでは、生の声を聞ける新卒職人や親方とのインタビュー、ミーティングの様子、さらには技術コンテストが行われます。これにより、職人を正社員で雇用する企業が増え、若手職人が安心して働き続けられる環境が整うことが期待されます。

このような取り組みが進むことで、若手職人を育成し、日本の建設業界全般の職人不足を緩和する土台が築かれることを願っています。