医療現場を支えるAI「Curalumi」の誕生と将来展望

医師診療支援AI「Curalumi」が、FastManage株式会社によって開発される中、その特徴と市場における可能性が注目を集めています。

Curalumiとは？

Curalumiの名称は、治療を意味する「Cure」と輝きを意味する「Luminous」を組み合わせた造語です。このAIサービスの最大の特徴は、診察前に患者がAIに症状を送信し、AI診断と問診を行うことで、医師が迅速にその情報にアクセスできる点です。これにより、診断の待ち時間が大幅に短縮され、医療の効率を高めることが期待されています。

このサービスはウェブベースであり、特別な設備を整える必要がなく、PCやスマホ、タブレットといった様々なデバイスからアクセスできます。患者は簡単な操作で自らの症状を入力するだけで、AIが的確な回答を導き出します。これは、医療現場において大きな変革をもたらすひとつのツールとなるでしょう。

PoC（概念実証）の進展

FastManageでは、フランスのクリニックにおいてCuralumiのPoCが進行中です。この段階において、医師からは高評価を得ており、実際に診療時間が1時間から45分に縮むという成果が報告されています。このような時間短縮は、医師と患者双方にとって大きなメリットとなります。

医師たちからは以下のような反響が寄せられています：

- 「パソコンが苦手な私でも使えるのが嬉しい」
- 「自分が考えていた病態と合致して驚いた」
- 「思いつかなかった病名を教えてくれるので助かる」

これらのコメントからも、Curalumiが医師の仕事の助けになっていることが分かります。実際に60代の女性医師は「Curalumiの診断は驚くほど正確で、診察時間を短縮できる。今後の成長を楽しみにしている」と語っています。

市場性と将来の展望

Curalumiは日本とフランスを合わせた市場のTAM（全体の市場規模）が5兆円、SOM（現実的にアプローチできる市場規模）が197億円と見込まれています。またFastManageのナレッジAIについては、TAMが1兆円、SOMが300億円に達する可能性があるとされています。このように、医療AI市場は巨大な成長余地を秘めています。

FastManage株式会社は、今回の資金調達を通じてさらなるサービス開発やユーザー拡大を図る計画です。持続的な成長が期待される中で、日本の医療現場もデジタル化やDX（デジタルトランスフォーメーション）の波に乗る必要があります。Curalumiがその架け橋となることを期待しています。