株式会社THIRDが開発した新たなAI検針技術
不動産管理業務の生産性を向上させることを目指す株式会社THIRD(東京都新宿区、代表取締役:井上惇)は、
新たにAI建物管理クラウドシステム「管理ロイド」を通じて、おなじみの円読式メーターに対応した検針機能を発表しました。この技術は、水道メーターなどで主に用いられ、誤検針を引き起こす原因として長年悩まされてきた問題を解決します。
AI技術の進化と開発背景
AI検針機能の開発にあたり、これまでに温度、圧力、液晶式水光熱メーターなど、多くのメーターを自動解析可能としてきました。現在、全国で使用されているメーター数は150万を超えており、厳しい条件下でも高精度な認識ができるようになっています。
特に円読式メーターは、通常複数の円を一度に読み取らなければならず、誤って検針されることが多かったため、AIによる解析は難しいとされていました。しかし、今回の技術革新で解析精度が96%以上に達し、業界での期待が高まっています。さらに、この技術は海外の円読式水道メーターや電気メーターにも拡張可能です。
スマートフォンで簡単・迅速に検針
この新機能では、スマートフォンのカメラを使ってメーターの写真を取り、その画像をAIが解析することで、自動的に表示された指示値を読み取ります。従来の手作業に比べ、全てが迅速かつ正確になるため、検針結果を紙に記録する必要がありません。報告書は自動的に作成されるため、業務効率が劇的に向上し、最大66%の時間短縮が見込まれています。
この機能は、物件ごとに異なる報告書のフォーマットにも対応しており、Excel形式ならば難なくアップロードできます。この仕組みは、現場で得られた情報をリアルタイムで管理できるため、誤差や人為的ミスを防ぐことができます。
新たな「遠隔監視オプション」も搭載
また、管理ロイドには新機能として「遠隔監視オプション」が追加されました。これにより、中央監視装置や外部センサーからのデータを統合し、物件の統合的な管理が実現します。この機能によって、不動産管理のコストを大幅に削減し、既存の物件をよりスマート化することができるようになります。
「管理ロイド」とは
「管理ロイド」は不動産管理会社向けに特化したAI-SaaSソフトウェアとして、報告書作成時のペーパーレス化を推進します。点検、検針、清掃報告などの情報はすべて無料アプリを通じて簡単に入力され、事務所に戻る必要がありません。これにより、不動産管理の業務リスクを軽減し、さらには品質の向上も期待されます。
会社情報
株式会社THIRDは、2015年に設立されたAIスタートアップで、不動産や建築業界向けにDXサービスを提供しています。ゼネコン出身の監督が集まり、現場の知見をAIに生かした技術で、業界のコスト削減を支援しています。
今後も株式会社THIRDは、先進的な技術を基に不動産管理の労働生産性を向上させる製品を発表していく予定です。また、建物データを活用し、より多くの業界におけるAIソリューションを展開することにも注力していきます。