フリーアドレス導入は成功しているのか?オフィスワーカーの実態調査結果
近年、働き方の多様化に伴い、多くの企業が導入するフリーアドレス。従業員は自由に席を選べるため、柔軟な働き方を促進し、コミュニケーション活性化を期待できます。しかし、実際にフリーアドレスを導入した企業では、従業員の席が固定化してしまうという課題も指摘されています。
パーソルファシリティマネジメント株式会社は、フリーアドレス導入企業における従業員の席選びの実態調査を実施しました。20代から50代のオフィスワーカー448人を対象に、インターネット調査を実施した結果、興味深いデータが得られました。
フリーアドレス導入企業の現状
調査結果によると、フリーアドレス導入企業の約7割がオフィス内に多様な用途のエリアを備えています。会議室や集中スペース、リラックススペースなど、従業員のニーズに合わせた多様なエリアを設けることで、快適なワークスペースを提供しているようです。
また、フリーアドレス導入時に、従業員への説明が行われた割合は7割を超えています。説明方法は、社内イントラや社内報が最も多く、次いで説明会、メールや社内チャットツールが続きました。
席を変える人と変えない人の違い
調査では、従業員が意識的に席を変えるかどうかも調べました。その結果、「たまに変えている」が38.4%と最も多く、次いで「あまり変えてない」24.1%、「変えている」21.2%、「全く変えていない」12.7%、「わからない」3.6%という結果でした。
つまり、約6割の従業員は意識的に席を変えていますが、約4割は席が固定化していることが明らかになりました。
では、なぜ一部の従業員は席が固定化してしまうのでしょうか?
調査結果をさらに分析した結果、席の固定化には、フリーアドレス導入時の説明の有無とオフィス環境の充実度が大きく影響していることがわかりました。
・フリーアドレス導入時の説明
フリーアドレス導入時に説明を受けた従業員は、そうでない従業員と比較して、意識的に席を変える傾向が見られました。これは、導入時に目的やメリットなどを理解することで、従業員が積極的にフリーアドレスを活用するようになることを示唆しています。
・オフィス環境の充実度
多様なエリアが備わっているオフィス環境ではたらく従業員は、そうでない従業員と比較して、意識的に席を変える傾向が見られました。集中しやすいスペースやリラックスできるスペースなど、様々なニーズに対応できるエリアが充実していることは、従業員の席の回転率を高め、フリーアドレスの効果を最大限に引き出すために重要であると考えられます。
フリーアドレス導入の成功には説明と環境整備がカギ
今回の調査結果から、フリーアドレスを成功させるためには、導入時の説明とオフィス環境の整備が重要であることが明らかになりました。従業員に対して、フリーアドレス導入の目的やメリット、具体的な利用方法などを丁寧に説明することで、積極的に席を変え、フリーアドレスの利点を享受できる環境を作ることができます。
また、多様なニーズに対応できるオフィス環境を提供することで、従業員は自分の仕事や気分に合わせて席を選択し、より快適なワークスタイルを実現できます。
パーソルファシリティマネジメント株式会社は、今回の調査結果を踏まえ、フリーアドレス導入を検討している企業に対し、最適なオフィス環境の設計や導入支援を提供していくとしています。
まとめ
フリーアドレス導入は、従業員の働き方を柔軟にし、コミュニケーション活性化を促進する効果が期待されます。しかし、導入にあたっては、従業員への丁寧な説明と、多様なニーズに対応できるオフィス環境の整備が不可欠です。今回の調査結果を参考に、自社の状況に合わせて、効果的なフリーアドレス導入を目指しましょう。