ユーカリの樹、124年の道のりと新たな挑戦
愛媛県今治市に位置する今治市立桜井小学校。ここで124年間、多くの子どもたちを見守り続けたシンボルがあります。それは、明治34年に学校が創立された際に植えられたユーカリの樹です。この樹は昭和45年には市指定の天然記念物にも指定され、地域の子どもたちの成長とともに偉大な存在として親しまれてきました。しかし、令和7年6月に樹木医により枯死が確認され、翌月には伐採されることに。124年の歴史が幕を閉じることになりました。
2025年7月、桜井小学校で「ユーカリの樹、いままでありがとう集会」を開催し、卒業生や地域の方々が参加しました。児童たちはユーカリの思い出をクイズや劇を通じて表現し、感謝のメッセージを発表。校歌の一節には、ユーカリの樹のように「しっかりと腰を下ろす」誇りが込められており、その想いを再確認しました。この日、ユーカリ樹との別れが惜しまれ、温かい感謝の気持ちが広がりました。
ガバメントクラウドファンディングの始まり
「ユーカリの樹はただ終わるだけではない、継承の始まりだ」と地域の多くの人々が感じた結果、今治市は「今治市立桜井小学校にあるユーカリの樹を未来につなぐ!」というタイトルでガバメントクラウドファンディング(GCF)を実施することになりました。このプロジェクトは、地域の宝として愛されてきたユーカリの記憶を後世に伝えるための新たな取り組みです。
寄付金は、校庭への新しいユーカリの植樹、ユーカリの木材を使用した記念品の製作、顕彰看板の設置に使われる予定です。寄付を行った方には感謝の気持ちを込めて、記念プレートを返礼品として用意しています。目標金額は100万円。寄付の募集期間は2025年10月8日から2026年1月5日までです。このプロジェクトは、今治市が誇るユーカリの樹の歴史を未来に生かすための大切な取り組みとなります。
次の100年へと受け継ぐ希望
伐採されたユーカリの樹は、その存在自体が物語でありましたが、今治市はこの物語を新たな形で語り継ぐことを決定しました。241年の歴史を経て、校庭には新たなユーカリの植樹が計画されています。このプロジェクトでは124年間の歴史と地域の誇りを次世代に継承することが目指されています。また、顕彰看板を設置することで、ユーカリの樹が持っていた大切な役割を忘れないようにする意図もあるのです。
今治の人々とともに「地域の宝」を未来へとつなげるためのこの取り組みに、全国からの温かい支援が寄せられています。ユーカリ樹の思い出のみならず、桜井小学校の校歌に込められた精神も、未来へと受け継がれていくことを期待しています。地域全体のつながりを感じながら、新たな歩みをぜひ見守ってください。
この取り組みは、今治市広報戦略プロジェクトや教育委員会のホームページなどでさらなる情報を発信していく予定です。今後の進展を楽しみにしていてください。