フォントワークスの新たな挑戦
フォントワークス株式会社は、2025年1月22日に新たな和文書体「筑紫Fヴィンテージ明朝 RT」をリリースすると発表しました。これは、同社の書体デザインディレクター、藤田重信氏が手がけたもので、これまでの「筑紫ヴィンテージ明朝」シリーズの進化系とも言える存在です。また、同日には人気のゴシック体「筑紫オールドゴシック」に新ウエイトが追加されます。
筑紫Fヴィンテージ明朝 RTの特長
「筑紫Fヴィンテージ明朝」は、新しい明朝体を探求する中で「繊細」「躍動」「優雅」という三つのキーワードを前面に打ち出しています。特に、漢字の細い部分をさらに薄く見えるように工夫されており、これにより繊細さが表現されています。仮名デザインでは、ペン書きによる躍動感が感じられ、細く長いストロークが優雅さを強調しています。利用シーンも多岐にわたり、書籍の表紙やポスターなど多彩な場面で活躍が期待されます。
スモールとラージの選択肢
この書体には、文字のサイズによって「S(スモール)」と「L(ラージ)」の二つのバリエーションが用意されています。スモールは文字間がゆったりして見え、ラージは一般的な文字間が保たれています。また、カタカナに特徴的な始筆部も独特で、スタンダードな明朝体とは異なり、滑らかな印象を与え、ユニークな視覚効果を持っています。
華やかで優美な付属欧文
この新書体には、付属する欧文も搭載されています。特に「W」や「w」は巻きが強く独特なデザインが施されており、用途に応じて使い分ける楽しさがあります。そのほか、スモールキャピタルも収録されています。
筑紫オールドゴシックの新ウエイト追加
さらに、同日には「筑紫オールドゴシック」にもEL(Extra Light)及びL(Light)ウエイトが追加され、これで全8ウエイトのファミリーとなります。この書体は、金属活字時代にインスパイアされたもので、豊かな抑揚を、凜々しく助ける姿勢を持っています。
クリーンで使いやすいサービス
フォントワークスの新書体「筑紫Fヴィンテージ明朝 RT」と新しいウエイトの筑紫オールドゴシックは、「フォントワークスLETS」や「FONTPLUS」といった年間定額制のフォントサービスにおいて、追加料金なしで使用可能です。これにより、クリエイターやデザイナーはより自由に、高品質なフォントを利用して新しい作品に取り組めることでしょう。
書体デザイナー藤田重信氏
藤田重信氏は、1957年福岡県に生まれ、1975年に写研に入社。その後1998年からフォントワークスで数多くの書体を開発してきました。彼の手による筑紫書体シリーズは、グッドデザイン賞も受賞しており、彼のデザインへの情熱と献身が伺えます。2024年1月には、彼に関する書籍『筑紫書体と藤田重信』の発売も予定されています。氏の今後の活躍にも注目です。
会社概要
フォントワークス株式会社は、東京都港区に本社を構える企業で、日本国内外に評価される書体を提供しています。公式ウェブサイトからは詳細な情報を得ることができます。
この新しい書体の登場は、デザインに興味を持つ誰にとっても、また新たな創造の機会を提供してくれることでしょう。