ROHMの革新!新SPICEモデル「ROHMレベル3」
ロームが新たに発表したSPICEモデル「ROHMレベル3 (L3)」は、パワー半導体のシミュレーションを革新する可能性を秘めています。この新しいモデルは、デザイン段階での評価精度を高め、シミュレーション時間を約50%短縮することができます。
これまでの課題
パワー半導体の損失は、システム全体の効率に大きく影響します。そのため、設計段階でのシミュレーション検証が必要不可欠です。過去にロームが提供していた「ROHMレベル1 (L1)」は、各特性の再現性を高めることで、高精度なシミュレーションのニーズに応えてきました。しかし、シミュレーションの際には収束性や演算時間といった課題が存在していました。特に、長時間の演算は設計者にとって負担となっており、その改善が求められていました。
新しいアプローチ
新モデル「ROHMレベル3 (L3)」では、シンプルなモデル式を採用することで、計算の安定性を保ちながらスイッチング波形の精度を維持しています。このため、シミュレーション時間が従来のL1モデルに対して大きく短縮され、サイクル全体の過渡解析をより効率的に実行できるようになります。
このモデルの導入により、デバイス評価や損失確認が迅速かつ高精度で行えるため、設計現場の効率化が期待されます。
ダウンロードとサポート
「ROHMレベル3 (L3)」に関する第4世代SiC MOSFETモデルは、2025年4月以降、ロームのウェブサイトにて公開され、製品ページから簡単にダウンロードできるようになります。また、L3モデルの供給開始後も従来のL1モデルは並行して利用可能です。
さらに、使い方を説明したホワイトペーパーも用意されており、シームレスな導入をサポートします。これによって、ユーザーは自身のプロジェクトにおいて新しいシミュレーション技術を素早く取り入れることができるのです。
未来への展望
今後もロームは、シミュレーション技術の向上を通じて、より高性能かつ高効率のアプリケーション設計を支援し、電力変換技術の革新を推進していく方針です。新しいSPICEモデルの登場は、パワー半導体市場における新しいスタンダードを築くことになるでしょう。
ロームの技術の進化に期待が寄せられる中、今後の展開にも大いに注目です。