電通総研が新たな3DCGソリューション「UNVEIL」を発表
2023年10月、電通総研が独自に開発したリアルタイム3DCGソリューション「UNVEIL(アンベール)」のβ版が始動しました。この新しい取り組みは、現実世界と見分けがつかないほどのリアルな映像体験を提供すると謳われています。「UNVEIL」は、メタバースの技術にAIやブロックチェーンなどを組み合わせることで、対話性と没入感を兼ね備えた新たな交流の場を創出します。これにより、遠距離や身体的制約のある人々にも臨場感あふれるバーチャル体験を提供することができるほか、社会全体への平等な機会を生み出す可能性も秘めています。
メタバース市場の急成長
近年、3DCG技術は急速な進化を遂げており、特にメタバースの領域は年間平均38%の成長を記録しています。このトレンドは、2033年までに市場規模が2兆ドルを超えると予測されています。メタバースは、私たちの生活やビジネスに革新をもたらすポテンシャルを持っています。例えば、地理的な障壁を超えた交流や、高齢者、障害者などに向けた新たな体験の提供が期待されています。
電通総研は過去においても、VR技術を用いた多拠点間のバーチャルコラボレーションシステム「CoVR」など、リアルとデジタルの融合を目指したソリューションを提供してきました。これらの経験をもとに「UNVEIL」のβ版をリリースし、さらなる技術革新を目指しています。
特徴と利点
「UNVEIL」には、いくつかの注目すべき特徴があります。
1.
リアルな没入体験:
Unreal Engineに搭載されるNaniteやLumen技術を利用し、高精細な3DCGアセットをリアルタイムで描写します。これにより、ユーザーはまるでその場にいるかのような体験を提供され、自然なコミュニケーションが可能になります。
2.
多様なデバイス対応:
スマートフォンやPC、VRデバイスなど、幅広いデバイスからのアクセスが可能であり、数万人規模での同時接続が可能なクラウド環境を実現しました。これにより、ユーザー体験の幅が広がります。
3.
短期間・低コストでの空間構築:
フォトグラメトリ等の先端技術を使い、効率的にメタバースの構築が可能。3Dデータを持たない企業でも容易に導入でき、多くの業種における活用が期待されています。
アマゾンウェブサービスジャパンのインダストリー事業開発マネージャー山口賢人氏も、「AWSはUNVEILの開発をサポートし、新たなデジタル体験の提供を支援していく」と期待を寄せています。
今後の展望
電通総研は、2025年度までに「UNVEIL」の正式版を市場に投入する計画を立てています。今後も3DCGやAIを駆使した技術開発を重ね、より革新的な顧客体験の提供を目指していく構えです。新たなコミュニケーションの形として位置づけられる「UNVEIL」が、どのように一般に浸透していくのか、今後の動向に注目です。
「UNVEIL」の詳細情報は公式ウェブサイトからも確認できます。