法人PC調達の価格上昇:企業の対応と課題
近年、法人向けの業務用PCの価格が急激に上昇しています。これは、メモリ価格の高騰やAI・データセンター需要の拡大が要因とされています。リユースPC事業を展開するリングロー株式会社が行った調査では、回答者の77.7%が直近1年間でPC調達価格が上がったと感じており、71.0%がその価格を予算と比べて高いと評価しています。
調査の概要と結果
リングロー株式会社は、法人PCの購入や調達に関与する300名を対象に調査を実施しました。現在、多くの企業が調達に関して変更を余儀なくされている状況です。調査によると、買い替え・更新の時期を延期する企業が39.7%と過半数を超え、台数の減少やPCの性能見直しを行っている企業もそれぞれ26.0%を占めています。これに対し、予算を増やす選択をしたのは21.7%にとどまり、ほとんどがコスト削減を目指す動きに出ています。
価格上昇の背景
メモリ価格の高騰が、CTOやCIOにとって大きな悩みの種です。トレンドフォースによれば、DRAMの価格は2026年第2四半期に58〜63%と急激に上昇。これは企業の予算に大きな影響を与えており、特にIT部門が高額なPC購入の正当性を次第に問題視しています。さらに、JEITAによると、2026年上期の国内PCの平均単価は前年同期比10.7%の増加を記録しました。これが多くの企業にとって圧力となっていることは明らかです。
企業の反応
調査結果からは、約40%の企業が購入時期を延期している様子が明らかになりました。これは、購入を急ぐ必要がないと判断していることを示唆しています。さらに、既存PCの修理・アップグレードにシフトする企業も目立ち、全体の約25%にのぼります。これにより、不要な投資を避ける戦略としての修理を選ぶ企業も増加しています。
また、リースやレンタルを活用する企業が17.3%という統計も見逃せません。リユース品や型落ち品を活用する考え方も広がりつつあり、リユース市場への期待が高まっています。古い機種を使うことに抵抗がある企業もありますが、コスト面ではリユース製品の方が優れている場合が多くなっています。
調達戦略の見直し
田中優美氏からのコメントによると、営業現場では「予算の中で必要な台数を確保するためにどうすればよいのか」という声が増えているとのことです。企業は、その選択肢として新品だけでなくリユースPCを検討するようになってきています。これは、以前では考えにくかった供給源の一つとして位置付けられつつあります。
新たな調達戦略として、業務に合った性能を持つPCを新品とリユースの両方から選ぶことが重要だと田中氏は強調しています。これにより、無駄なコストを避けつつ、なおかつ必要な業務の効率を高めることが可能になります。何を優先するかの選択が企業にとって重要な問題となる中で、業務に最適なPCの選定が急務です。
まとめ
本調査は、法人向けPC市場の現状と企業の対応を浮き彫りにした結果となりました。調達担当者が直面する課題は山積みですが、リユースPCや中古品の検討が新たな解決策とされ、コスト削減はもちろんのこと、業務の効率性を確保するために選択肢を広げる必要があることが分かりました。これからの時代、企業はPC調達に対してより柔軟で戦略的なアプローチが求められるでしょう。