日本初の吸収性食道用ステント「ELLA-BDステントPX」
日本で初めての吸収性食道用ステント「ELLA-BDステントPX」が、薬事承認を取得したという喜ばしいニュースが届きました。このステントは、株式会社パイオラックスメディカルデバイスと国立がん研究センター東病院が共同で研究開発に取り組んできた成果です。
ELLA-BDステントPXとは
「ELLA-BDステントPX」の特徴は、生分解性素材であるポリジオキサノンを使用している点です。ポリジオキサノンは、外科用縫合糸としての実績があり、体内で自然に分解される性質を持ちます。このステントは約3ヶ月で体内に留置された後、身体に吸収されるため、従来のステントのように後処理が必要ありません。
この特性は、患者さんにとって大きなメリットとなるでしょう。抜去の必要がなくなることで、患者の負担が軽減され、結果として生活の質(QOL)の向上が期待されます。
食道良性狭窄の現状
食道がんの手術後に食道に良性狭窄が発生することがあります。食道良性狭窄とは、食道が狭くなり、食物や飲み物を通過させるのが困難になる状態です。現在、日本での食道良性狭窄の標準治療には、繰り返しの拡張処置が求められ、身体だけでなく精神的な苦痛も伴うことが多いです。その結果として、嚥下障害により栄養摂取が不十分になり、低体重や栄養失調に陥るリスクもあります。
こうした課題に対して、「ELLA-BDステントPX」は、効果的な解決策を提供することが期待されています。
臨床試験の結果
先進医療Bにおける臨床試験では、66.7%の患者が食事の摂取において改善を実感し、企業治験でも46.7%の患者が同様の結果を示しました。これらの結果は、「ELLA-BDステントPX」が実際に多くの患者に良好な効果をもたらすことを示しています。
今後の展望
株式会社パイオラックスメディカルデバイスは、患者さんの医療費を軽減するために、特定保険医療材料としての保険適用の手続きを進めています。この健康保険適用に関する情報は、同社のウェブサイトで随時更新される予定です。
会社概要
株式会社パイオラックスメディカルデバイスは、1933年の創業以来、「世界中の患者さんに笑顔を」をミッションに掲げており、医療機器の研究・開発から製造・販売までを一貫して行っています。特に低侵襲治療の分野に注力し、患者さんの身体への負担を軽減するデバイスに取り組んでいます。
詳しくは、
公式ウェブサイトをご覧ください。