介護の未来を見つめる「第15回オールジャパンケアコンテスト」
介護業界の質を向上させるための取り組みとして注目を集めている「第15回オールジャパンケアコンテスト」が2025年10月4日(土)、東京ビッグサイト西3ホールにて開催されます。この大会は、全国の介護従事者が集まり、お互いの知識や技能を高め合う場として位置づけられており、参加者の94.7%が自身の技能向上を実感するという実績もあるなど、多くの人に支持されています。
オールジャパンケアコンテスト(AJCC)の意義
オールジャパンケアコンテスト(AJCC)は、ただの競技イベントではなく、参加者が自己研鑽と理解を深めることを目的とした大会です。参加者は実務経験を持つ介護従事者を中心に、認知症や看取り、口腔ケア、入浴、食事、排泄、さらに外国人介護職員といった多岐にわたる分野で実技を行います。これらの実技中には、専門家による採点とアドバイスが行われ、参加者全員が技能向上のための貴重な機会を得ることができるのです。
第1回が2010年に開催された以来、参加者の累計は1,400名以上にも達し、地方の介護現場における技能向上のための土台となっています。また、参加者はもちろん、来場者も「介護とは何か」という重要なテーマを共に学び合い、ネットワークを築くことで介護単独の活動ではなく、社会全体の介護に対する意識を高めることが求められています。
調査研究で明らかになった成果
昨年開催された第14回大会では1,500名以上が集まり、138名が実技に参加しました。その際に、厚生労働省が実施した報告書によると、介護技能向上の実感を持った参加者は94.7%、学び続けたい意欲が高まったと答えたのは92.1%にも及ぶという結果が出ました。また、支援者や施設管理者からも「チーム意識が高まった」との声が多数寄せられ、実技を通じて意識改革が進められています。
このように、コンテストを通じて他者の技能を観察することで刺激を受け、現場の質が高まるという良い循環が生まれていることが分かります。介護が“見える化”されることで、職員自身が自らの行動を振り返るきっかけができ、質の向上へとつながっています。
選手同士の一体感を高める前夜祭
大会前夜祭では、選手とアドバイザーが互いに交流し、意見交換を通じて一体感を感じる貴重な機会が提供されます。この前夜祭は、選手同士が同じ目標を持つ仲間として集い、互いに刺激し合うことでモチベーションを引き出す場となっています。参加者の中には、持っている技術を活かして自己成長を遂げたり、他選手の優れたケアを参考に職場で実践に活かしたりしたいという意欲を持つ方も多く、大きな意義と価値があります。
高齢化社会と介護職員の不足問題
とはいえ、介護関連の職場は人手不足が深刻な問題とされています。厚生労働省によれば、2025年には約32万人、2040年には69万人もの人手が不足するとされ、介護職に従事する人数を増やすことが急務となっています。介護を必要とする人々の数も高齢化に伴い増加しており、今後ますます重要なフィールドになっていくことでしょう。
オールジャパンケアコンテストは、介護業界のスキルやモチベーションを向上させるだけでなく、一般の人々が介護に対する理解を深めることにも寄与しています。私たち一人ひとりがこの重要なテーマについて考え、理解を深めることが必要とされています。このコンテストを通じて、介護職のイメージ向上にも繋がることを期待したいです。
イベントの詳細
開催日時
- - 日時: 2025年10月4日(土)
- - 前夜祭: 2025年10月3日(金)
開催場所
参加予定分野
- - 認知症、看取り、食事、入浴、排泄、口腔ケア、外国人介護職員
このように、介護の現場における技術の向上を目指すオールジャパンケアコンテストは、参加者の成長を促すとともに、介護に対する理解を広める重要なイベントとなっています。皆さんも興味があれば、ぜひ現地に足を運んでみてはいかがでしょうか?