地方発信の新たな時代を築くための挑戦
島根県を拠点に活動する株式会社COME TREESは、地方企業や自治体向けの広報PR・SNS活用セミナーを2019年から始め、最近その参加者数が累計2,000人を超えるという驚くべき成果を収めました。この成功は、地元企業の広報活動に対する地道な努力と確固たる信念から来ています。
地域の情報発信の重要性
CEOの二木春香さんは、東京でのキャリアを経て地元・島根に戻り、「伝統や文化が埋もれないよう支援したい」との思いからこの事業を始めました。都会と地方の情報格差に不安を感じ、この課題に取り組むことが彼女の使命となったのです。「地方こそSNS発信で県外からのお客様を作らないとならない」という彼女の持論は、特にこの5年間でのSNS利用の必要性が高まった昨今において、ますますその重要性を増しています。
セミナーの進化とその背景
初めの頃は、地方では広報活動やSNSの重要性がまだ浸透しておらず、チラシなどの従来型の手法が主流でした。しかし、2020年に感染症の影響を受けて、地元の経営者の間でSNSへの注目が急速に広がりました。この変化はセミナーへの需要を引き起こし、参加者は2019年の年間10名から2020年には220名、2024年には600名と急速に増加。これにより、セミナーは85回の開催と2,000名の参加者を誇る人気講座へと成長しました。
広報活動の新たな地平
セミナーではプレスリリースを中心に、「狭義の広報活動」の重要性に加え、SNS発信やウェブサイトへのメディア掲載実績の活用方法、さらにインナーブランディングの必要性まで幅広く取り上げています。また、潜在顧客を確実に自社の顧客として育成する「顧客導線の作り方」など、マーケティング教育にも力を入れています。
参加者の評価と広がり
初めは参加者からの口コミで広がったこのセミナーですが、現在では島根県内にとどまらず、県外の企業や団体からも依頼が殺到している状況です。参加者からは「分かりやすい内容で共感できた」という声が多く、特に柔らかい表現が評価されています。
成功事例の創出
二木さんは、単なる知識提供にとどまらず、地方企業の伴走者としての役割を重視しています。その結果、クロージング135年を誇る和菓子店の伝統菓子リニューアルにより、売上が1.5倍に増加する成功事例も生まれています。
今後の展望と感謝の気持ち
これまでの成果は、参加者の熱意と地方企業への関心によって支えられてきました。今後は、広報担当者を育成するプログラムをさらに強化し、SNS運用をサポートする取り組みも行う計画です。地域文化の継承と、地方の発信力を高めることを目指して、これからも尽力していくとのことです。
「文化資産が次世代に引き継がれる社会」というビジョンのもと、地域活性化を牽引するための活動を続ける株式会社COME TREES。これからも注目の企業として、さらなる展開が期待されます。