パラオにおける自然保護の取り組み
東急不動産ホールディングス株式会社(以下、当社)は、リゾート事業の一環として、パラオ共和国に位置する「パラオ パシフィック リゾート」の運営を通じて、自然環境の保護と開発との両立を目指しています。
より具体的には、当社は「自然環境の保護と開発の両立」を掲げ、現地の森林や海洋の保全活動を推進しています。その背景には、東急不動産の初代社長、五島昇氏の「ヤシの木より高い建物は建てるな」という言葉があり、環境保護の理念が事業活動の根底に流れています。実際、40年以上にわたり、地域住民や関係機関と協力して希少な生態系の保全に努めてきました。
TNFD開示の背景
最近当社は、自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)に基づく評価を行い、その結果を「TCFD/TNFDレポート」で公表しました。このレポートでは、当リゾートの開発が自然環境に与える依存関係やインパクトについて、詳しい定量分析の結果が示されています。
例えば、地域の森林保全にあたる取り組みにより、開業当初の森林面積が予想以上に再生されていることが確認されました。更に、前面海域においてもサンゴ礁の健康状態は良好であり、特にサンゴの被度は他のリゾートエリアと比べても高い水準を維持しています。また、絶滅危惧種であるオオシャコガイが増加しているというデータも得られ、リゾート事業が持続可能な形で自然環境を支える仕組みとなっています。
事業の進捗とエンゲージメント
当社は2021年に「GROUP VISION 2030」を策定し、環境経営を全社方針としています。特に生物多様性の保全に注力しており、パラオのリゾートを拠点とした取り組みがその一環です。今後は、当社のTNFDレポートに基づき、気候変動や自然関連のリスクを見据えた分析を深化させる方針です。
具体的なプロジェクトとして、2025年にはパラオにネイチャーセンターを開設し、お客様が自然を学びより深く体験する機会を創造することを目指しています。地元住民と連携し、環境教育や保全活動の体系的な展開が期待されます。
持続可能なリゾートの未来
パラオ パシフィック リゾートでの取り組みは、まさに「サステナブル・デスティネーション」としての新たな可能性を示しています。リゾート利用者にも生物多様性や自然環境の重要性を理解してもらい、その体験を通じて当リゾートの存在意義をさらに深めていく所存です。
当社は引き続き、環境への影響を意識しつつ、地域文化を尊重し、自然環境との調和を追求します。これにより、お客様一人一人の滞在がパラオという美しい場所の未来をより豊かにすることを目指しています。
今後のTNFD開示や取り組みの進捗にもご注目ください。持続可能な社会の実現に向けた当社の挑戦は続きます。