研究の概要
株式会社クロス・マーケティングは、明治大学商学部の加藤拓巳准教授との共同研究において、消費者のブランドに対する態度とその回答速度の関連性を明らかにする試みを行いました。この研究は、同社の「潜在リサーチ」サービスを利用し、マーケティングリサーチの精度向上に寄与することを目指しています。
バックグラウンド
マーケティングリサーチの分野では、消費者の行動を正確に把握することが常に課題となっています。とりわけ、調査においては、「言行不一致」という現象が問題視されています。すなわち、消費者が調査での購入意向を示す一方で、実際の購入に至らないケースが少なくないのです。この現象を踏まえ、研究者たちは消費者の意思決定過程を理解し、調査方法の改良を図る必要があると考えました。
研究の目的
本研究では、「購入意向を速やかに回答する消費者は、その後の実際の購入確率が高いのか?」という仮説を有して、具体的に検証しました。特に、日常的な食品としての緑茶やカフェ関連商品を対象とし、消費者の意識的な購買行動を観察しました。
調査手法
調査の方法として、株式会社クロス・マーケティングが開発した「潜在リサーチ」が採用されました。この手法は、消費者が直感で判断するまでの反応速度を測定し、それをもとに意思決定のメカニズムを分析するものです。具体的には、調査参加者が表示される画像に対して「好き」か「嫌い」の選択をする形式で、無意識のうちに反応する部分を捉えています。
結果と考察
調査の結果、購入意向を示した参加者の中で、実際に商品を購入した人(真陽性)の回答速度が、購入しなかった人(偽陽性または偽陰性)よりも明らかに速いことが確認されました。この発見は、消費者の購入態度を判断する新たな指標となる可能性を示唆しています。
潜在リサーチの意義
この「潜在リサーチ」は、従来のアンケート形式に比べ、瞬間的な意識や感情をより正確に読み取ることができ、企業にとっては非常に有用です。今後のマーケティング戦略において、どのようなイメージやメッセージが購買行動を促すのかを解析し、製品のコンセプト開発やパッケージデザインに役立てることが見込まれます。
今後の展望
今後もクロス・マーケティングは、様々な研究手法を活用しながら、消費者ニーズに即したマーケティングリサーチを推進していく所存です。この活動が消費者と企業の架け橋となることを目指し、より良いマーケティングソリューションを提供していきます。私たちの研究成果が、未来の消費行動にどのように影響を及ぼすのか期待が高まります。
参考情報