JTBの新たな試み「かげろひ」
株式会社JTBが新しくスタートした没入型文化体験ブランド「かげろひ」は、日本各地の文化、空間、そして食を融合させたイベントを展開します。この新プロジェクトは、食をテーマにした「Living Auberge」の一環として、様々なクリエイターや表現者との共創によって、日本の独自の美意識や精神性を具現化し、訪れる人々に深い体験を提供します。アートと文化人とのコラボレーションを基に、各地の風土を反映した特別な演出が用意されています。
この取り組みの背景には、日本政府が掲げる「観光立国推進基本計画」があり、2030年までに訪日外国人旅行者数を6,000万人にまで増やすという目標があります。JTBはこの新たなブランドを通じて、日本独自の魅力を世界に広め、地域の文化を次世代に伝えていくことを目指しています。海外からの訪問者にとって、日本の文化は非常に魅力的で、リアルとデジタルが交錯する新しい交流の形が求められています。
「かげろひ」の理念
「かげろひ」という言葉は、現れたり消えたりするものを指し、一瞬の美しさ、多様な感情を体感することを重要視しています。このブランドの核心となるのは、美意識や感情のつかみどころの無い部分を感じられる体験です。世界的な建築家・磯崎新氏の論に示されているように、日本文化の美意識は現代社会においても重要な示唆を持っており、JTBは「かげろひ」の思想を現代的な体験に落とし込み、地域に根差した文化の探求とその還元を目指します。
具体的なイベントと取り組み
2025年7月に行われるテストイベント「かげろひ-乞雨kouu-」では、京都の両足院で禅寺を舞台にした特別な体験が展開されます。アートと日本の伝統の交差点に立ち、特別な京料理を通じた非日常的な体験が多くの参加者から高い評価を得ました。この成功をもとに、正式サービスの開始が決定されました。
「かげろひ」では、
1.
文化と空間、食の融合 - 歴史的建造物や風景の中で、食とアートが交わる体験を提供します。
2.
一期一会の体験価値 - 各地域の表現者による、その瞬間限りの独特なプログラムを設計します。
3.
地域資源の新たな活用 - 各地の物語に基づいた観光や文化の新しい形を創出します。
第一弾イベントについて
最初のイベント「かげろひ-虚空kokuu-」は、鎌倉市の報国寺を舞台に、川端康成の美意識をテーマにした体験を提供します。芸術の風土である鎌倉で、日本の美を感じられる体験が提供され、多彩なアーティストが参加することで、唯一無二の体験価値が生まれます。2025年12月13日に実施予定で、参加人数は限られています。
今後の展開
「かげろひ」は全国各地での展開を計画しており、地域ブランドの創造を支援することを目指しています。JTBは観光や交流を通じて、日本の文化を国内外に広めることで、地域や文化の新たな価値を生み出すことに挑戦していきます。
Living Aubergeについて
これはJTBグループが2023年に始めた新規事業で、食文化の新しい価値を提案することを目的としています。ケータリングや出張料理、ポップアップレストランなど、多様なサービスを提供し、日本の食産業に新たな選択肢を提供します。
【公式サイト】
かげろひHP
【コンセプトムービー】
かげろひの紹介動画