量子通信を革新するLQUOM株式会社への1億円投資が決定
2023年10月24日、大阪大学ベンチャーキャピタル株式会社(OUVC)がLQUOM株式会社に対し、なんと1億円という金額の投資を実行しました。
量子インターネットの未来を切り開くLQUOM
LQUOM株式会社は2020年に設立され、量子通信システムおよび量子通信中継器の開発を手掛けています。特に注目すべきは、量子通信中継器の開発にあります。これは、横浜国立大学の堀切教授の基礎技術を元にしており、絶対に安全な次世代の情報ネットワークである量子インターネットの実現に向けた重要なステップです。
量子コンピュータが進化する中、悪用の可能性も浮上していますが、量子インターネットはそのリスクを根本から排除することが期待されます。量子特性によって不正アクセスや盗聴を探知し、情報の安全性を高める新たな通信インフラの確立が急務です。
量子通信中継器の開発課題
ただし、量子情報は非常に脆く、現在のインターネット環境における通信距離を超えると情報を保持できなくなります。そのため、量子通信に特化した中継器を開発する必要があるのです。この課題をクリアするために、LQUOMは新たな中継器を設計・開発しており、その完成が期待されています。
投資資金の活用法
今回の1億円の投資資金は、量子通信中継器のさらなる開発や性能向上、さらには品質管理体制の強化や人員の増強に使われる予定です。OUVCは資金面だけでなく、LQUOMの成長を多角的に支援し、長距離量子通信インフラの実現に向けた取り組みを強化するとしています。
LQUOMの意気込み
LQUOMの代表、新関和哉氏は「OUVC様からの投資に感謝申し上げます。大阪大学の高レベルな研究が我々の信頼を得たことを大変光栄に思います。ご期待に応えられるように全力を尽くします」と語っており、今後のプロジェクトに対する意気込みが伺えます。
LQUOMについて
OUVC2号ファンドの概要
- - ファンド名: OUVC2号投資事業有限責任組合
- - 規模: 106.5億円
- - 運用期間: 2021年1月1日~2032年12月31日
- - 投資対象: 大阪大学及び国立大学の研究成果を基にしたベンチャー企業
量子通信の分野で重要な役割を果たすLQUOMの今後の進展に、ますます注目が集まります。