駄菓子メーカーが挑戦するオーガニック食品の新展開

愛知県名古屋市に本社を構えるマルタ食品株式会社は、1950年の創業以来、主に金平糖やラムネ、DIY菓子などを製造・販売してきた老舗の駄菓子メーカーです。この度、同社は2023年10月に有機JAS認証を取得し、新ブランド「LA NATURE MARUTA」を立ち上げ、オーガニック食品製造に新たな一歩を踏み出しました。

伝統と革新の融合

創業から70年以上、マルタ食品は子どもたちに愛される駄菓子を作り続けてきました。その中で、色とりどりの駄菓子が並ぶ昔ながらの駄菓子屋の情景や、ジャリ銭を握りしめながら好きなお菓子を選んでいた思い出は、誰にでもあることでしょう。そんな懐かしい体験を送りつつも、現代の食文化の変化において、駄菓子に触れる機会が減少していることも事実です。

多様化する食の志向に応えるためには、ただ駄菓子を提供するだけでは不十分です。近年、駄菓子を食べたことのない子どもや、駄菓子とは無縁に育った世代が増えているため、新しいアプローチが求められています。このような背景を踏まえて、マルタ食品はオーガニックマルシェに参加し、さまざまな視点に触れることで、新たなインスピレーションを得ました。

オーガニック食品と駄菓子の共通点

駄菓子とオーガニック食品は、一見相反する存在のように感じられます。しかし、実際には両者には深いつながりがあるとマルタ食品は考えています。ものづくりにおいては、「育てる」という概念が共通しているからです。職人たちは丁寧に糖蜜をかけて金平糖を作り、その一つ一つに愛情が込められています。一方、オーガニック食品は土づくりから始まり、手間暇かけて育てられています。このように、どちらも大切に育てる行為であるという共通点があるのです。

ブランド「LA NATURE MARUTA」の誕生

この思いから、「LA NATURE MARUTA」というブランドが誕生しました。ブランドカラーのグレーには、「しろクロつけない」というコンセプトが込められています。つまり、多様性を尊重し、つながりや温もりを感じられる商品づくりを目指しているのです。製品は笑顔を運ぶものでありたいという気持ちが、ブランド名にも表れています。

新たなラインナップの紹介

2025年2月28日までには、国産桜チップで燻製した有機ナッツの「Organi燻（オーガニッくん）」シリーズを皮切りに、ポップコーンを含む合計18種類の新商品の展開を予定しています。これにより、マルタ食品ならではのほっこりするようなものづくりがさらに進化することでしょう。

今後、マルタ食品はこの新ブランドを通じて、より多くの人々に楽しんでもらえる商品を提供し続けることでしょう。新たな挑戦を始めた駄菓子メーカーの動向から目が離せません。私たちも、その成長を見守り続けたいと思います。