CTCとボッシュSD、製造業のDX推進で協業開始
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(CTC)とボッシュ・グループのボッシュソフトウェアデジタルソリューションズ(ボッシュSD)は、製造業向けのデジタルトランスフォーメーション(DX)及びグリーン・トランスフォーメーション(GX)を支援するために協業を開始しました。この取り組みは、SAP S/4HANA Cloud Public Editionを中心とし、製造業の基幹システムを近代化することを目指しています。
日本の製造業は、熟練技術者の引退や次世代人材の確保が難航し、知見の継承や業務プロセスの標準化が進まないという課題に直面しています。これに伴い、現場の知識が正しく活用できず、経営層との情報連携も不足する状態です。このような課題を解決するために、SAP S/4HANA Cloud Public Editionを利用した新たな経営基盤の構築が求められています。
DX・GX推進の具体的アプローチ
CTCとボッシュSDは、特に製造業のデジタル変革に向けて、双方の強みを活かす施策を立案しています。ボッシュSDが提供するSAP S/4HANA Cloud Public Editionのテンプレートを、CTCが持つ導入サポートテンプレート「Figues Starter」と組み合わせることで、日本の法制度や会計基準、商習慣に最適化されたERPの導入が可能になります。これにより、企業は全社的な業務プロセスの改善と部門間連携の強化を図ることができます。
具体的に、両社はAPIを活用し、外部システムとの連携を実現することで、企業全体の業務最適化を行います。また、設備の稼働状況の監視を通じた予防保守や、サプライチェーンに関するエネルギー使用量の可視化、工場のグリーン化を支援する施策を展開します。
クラウドERP「GROW with SAP」の戦略的導入
CTCは、2023年にSAPのクラウドERPサービス「GROW with SAP」との戦略的パートナーシップを形成し、企業の基幹システムを最適化するためのソリューション「Figues」を展開しています。このソリューションでは、業務プロセス改善の内製化を支援する伴走型サービスを提供し、企業がデジタル変革をスムーズに進めるためのリソースを確保しています。
両社の協業により、製造業は今後ますます競争力を高め、持続可能な成長を遂げるための新しい価値を創出することが期待されています。特に、ボッシュのグローバルな実績とCTCの国内市場における専門知識を融合させることで、最新の技術を取り入れた提案が行われるようになります。
CTCとボッシュSDの役割
CTCは、全工程の品質管理とともに、テンプレートの適用からAPI連携、開発、運用までを一貫してサポートします。顧客の特殊な要件に合わせ編成した業務プロセスを標準化しつつ、AIによるデータ分析を取り入れることで、拡張性と保守性に優れたERPシステムの導入を確実に実現します。
ボッシュSDは、そのグローバルな経験を生かし、製造業向けのDXやGXを推進するための信頼できるパートナーとしての役割を果たします。これにより、日本の製造業は、今後の変化に適応した強靭な経営基盤を確立することができるでしょう。
情報産業が進化し続ける中、CTCとボッシュSDの提携が製造業に与える影響は甚大です。今後の展開に注目です。