旅行者の増加で深刻化するトコジラミ被害、IoTで解決へ
近年、世界的に旅行者が増加する一方、ホテル業界ではトコジラミ被害が深刻化しています。トコジラミは、人に吸血し激しい痒みを伴う害虫であり、衛生環境とは関係なく、宿泊者によって持ち込まれるため、その被害は容易に拡大してしまいます。
従来の殺虫剤による駆除は、耐性を持つ個体が出現するなど、効果が限定的になってきています。また、ホテル側にとっても、専門業者による駆除や部屋の洗浄など、多大なコストと時間が必要となるため、大きな負担となっています。さらに、ブランドイメージの悪化も懸念されます。
こうした状況下で、フィンランドのValpas Enterprises Oyが開発したIoTを活用したトコジラミ捕獲デバイス「スマートレッグ」は、ホテル業界にとって画期的なソリューションとして注目されています。
Valpasの「スマートレッグ」とは?
スマートレッグは、ベッドの脚に取り付けることで、トコジラミを誘引し、捕獲するデバイスです。特殊な色、デザイン、素材で虫を誘引し、落とし穴トラップとIoTセンサーが内蔵されています。
虫が捕獲されると、モバイル・ウェブアプリにアラート通知が送られ、AIによる害虫自動画像認識にも対応しています。さらに、OTA
1やホテルウェブサイトへ「Bed Bug Safe」の認証ラベルを提供することで、ホテルのブランドイメージ向上と収益増加に貢献しています。
1 OTA:Online Travel Agent
Canon MJ MIRAI Fundによる出資
Canon Marketing Japan MIRAI Fundは、Valpasの経営陣、市場におけるユニークなポジショニング、そして世界的な旅行者の増加によるさらなるニーズの拡大などを評価し、出資を決定しました。
グローバル・ブレインは、今後、Valpasの日本市場への事業拡大を含めた多面的な支援を行うことで、Valpasの事業成長に貢献していくとしています。
日本のホテル業界への期待
Valpasのスマートレッグは、すでに17か国、30都市以上で導入されており、大手ホテルグループにも採用されています。今後、日本市場においても、宿泊客の安全と安心を確保し、ホテルのブランドイメージ向上に貢献することが期待されています。
Valpasの挑戦
Valpasは、トコジラミ被害から人々を守るため、今後も技術革新を続け、より効果的なソリューションを提供していくことを目指しています。