文化放送で繰り広げられる音楽談議
春分の日、3月21日の午前中に文化放送で特別番組『AEON G.G プレゼンツいつか聴いた歌~スタンダードラブソングス~』が放送される。イラストレーターとして知られる和田誠と作家の阿川佐和子がタッグを組み、ラジオ初となる音楽談義を展開する。
和田誠はイラストレーターだけでなく、ブックデザイナーや文筆家、時には映画監督としても活動している。その多彩な顔を持つ彼だが、特に力を注いでいるのがアメリカのスタンダードソングに関するプロジェクト、通称「いつか聴いた歌」のシリーズである。これは彼の同名の著書を前提に、コンピレーションCDやライブイベント、トークショーを通じてスタンダードソングの魅力を伝え続けてきたものである。
今回の放送では、和田のユニークな視点からオリジナル音源を使用して音楽の魅力を語るという新しい試みが行われる。和田が丁寧に作曲やアーティストについての解説を行う中で、阿川佐和子の“聞く力”が、彼の知識を引き出す役割を果たす。二人の共演は今回が初めてであり、リスナーにとっても新しい発見になることだろう。
和田誠が語るスタンダードソングは、何気なく耳にするメロディや歌詞の中に、普遍的な魅力が存在することを教えてくれる。「いつか聴いた歌」という言葉には、ただのメロディだけでなく、その背後にあるストーリーや思い出が込められている。この番組では、その言葉が持つ深さについても掘り下げていく。
例えば、和田は「I’ve Heard That Song Before」という曲名を「いつか聴いた歌」と訳して、その普遍的な魅力を強調している。彼自身、この言葉がスタンダードナンバーを象徴していると感じているようだ。彼の語りの中には、リスナーが思わず共感できるエピソードや思い出が散りばめられており、まるで古い友人との会話を楽しむかのような感覚が味わえる。阿川も自身の思い出を語る。「大学生時代、六本木のライブハウスで『Sophisticated Lady』を聴いたことを今でも覚えています。」と話し、自身の人生におけるメロディの意味を深く考える機会を持っている。
さらに、和田が語る「You'd be so nice to come home to」の日本語タイトルの誤訳についてのエピソードも含まれる。和田は「誤訳であることを知って驚いた」と語り、阿川もその新しい視点に感心している。音楽にまつわる細部にまでこだわる彼らのトークが展開されることで、聴き手は新しい知識を得るだけでなく、音楽への愛情も再確認できるだろう。
春の祝日の朝、心に響くスタンダードソングとともに、和田誠と阿川佐和子が織りなす軽妙な会話が楽しめるこの番組は、大人の音楽ファンにとって忘れられないひとときとなるに違いない。多様な視点から音楽を楽しむとは何なのか、ぜひ耳を傾けてみよう。楽しいトークが展開されるだけでなく、スタンダードソングの真髄に迫る貴重な時間となることであろう。
番組概要
- - 番組名: AEON G.G プレゼンツいつか聴いた歌~スタンダードラブソングス~
- - 放送日時: 3月21日(春分の日)午前9:00~10:55(録音)
- - 出演: 和田誠(イラストレーター)、阿川佐和子(作家)
- - ゲスト: 森山良子
- - 内容: スタンダードソングの魅力とは、楽曲の誕生秘話、お互いの思い出の曲についての会話も交えられる。様々なアーティストが歌うスタンダードソングの聴き比べも楽しめる。