香りを通じて生徒たちの感性を育む「香りの授業」を再開催
セントマティック株式会社が手がける感性教育プログラム「香りの授業」が、秋田県立比内支援学校で再び行われました。今回は26名の中学部生徒たちが参加し、杉の香りを通じて自分だけの物語を紡ぐ貴重な体験をしました。この取り組みは、嗅覚の新たな顧客体験を提案することを目指しており、地域の香りを通じた学びとしても注目されています。
この授業は2021年から続いており、香りを使って表現力や想像力を育むことを狙いとしています。2023年10月に続いて2度目の開催となった今回、前回はバラの香りをテーマにしており、今回は生徒たちが手をかけた杉の卵を香源にしました。バラに比べると控えめな香りの秋田杉。その特徴的な香りに触れた生徒たちは、色とりどりの言葉を生み出し、一人ひとりが感性を働かせて自分の物語を語りました。
授業は、目を閉じて香りに集中することから始まりました。生徒たちは香りを感じ取りながら、心に浮かぶ景色やイメージを自由にメモしました。次に、そのメモから好きな言葉を選び、独自のストーリーを創作。最後には互いに発表し合い、その中で多様な考え方や感じ方に触れることができました。
生徒の中からは、「木々が静かに揺れる音を聞いた」という表現や、「冷たい風に吹かれて海辺を歩いているような気持ちになった」という感想が聞かれ、想像力豊かな作品が次々と生まれました。「花が咲くころ、優しい風に撫でられてトラが目を覚ます」という独創的な物語も生徒たちの間で発表され、まさに創造力溢れる授業となりました。参加した生徒たちも、自分たちの成長を感じながら、素晴らしい体験を十分に楽しんでいる様子が見られました。
このプログラムは東京大学における嗅覚研究を基にしており、香りと言葉の同時インプットによる脳の活性化が期待されています。セントマティックは、香りのデジタライゼーションにも取り組んでおり、香りと共に新たな物語を創造することで感性を結びつけ、ビジネスの革新へとつなげています。
今後も「香りの授業」は全国の教育機関で開催される予定であり、地域に根差した取り組みとなることが期待されます。香りを通じた新たな学びの形が、これからも多くの生徒たちに共感と喜びをもたらすことを願っています。