舞台『MOTHERマザー~特攻の母 鳥濱トメ物語~』の千秋楽レポート
10月21日(土)、舞台『MOTHERマザー~特攻の母 鳥濱トメ物語~』が岐阜で千秋楽を迎えました。この公演は大林素子さんが主演を務めており、今シーズンでなんと9年目を迎えました。その間、多くの観客の心に触れ、多くの感動を生んできた作品です。
今年は戦後72年という節目の年であり、来場者はこの公演を通じて、戦争の意味やその影響について深く考える機会となったようです。東京公演では、5日間にわたり計8回の上演が行われ、どの回も満員御礼。涙を浮かべる観客の姿が印象的でした。
最終日には、特別ゲストとして五十嵐公太さん(元JUDY AND MARY)が登場し、本作のエンディング曲「いつか、また。」を披露し、舞台上の雰囲気を一層盛り上げました。出演者もその歌声に刺激され、最後まで高い士気を保ちながら全力で務め上げました。
静岡公演では、地元出身の出演者がスピーチを行い、地元での公演の意味や感謝の気持ちを表現しました。これには観客も強く共感し、地域に根差した公演として、心に残る思い出となったことでしょう。
千秋楽での大林素子さんの決意
岐阜での千秋楽では、大林さんがカーテンコールで挨拶をし、「舞台『MOTHER』も今年最後の公演を終え、来年には10年目になります。この作品を通して、日本の未来の幸せのために特攻していった若者たちの事実を後世に伝えていかなければならないと強く感じています。このメッセージをこれからも送り続けていきたいです」と、強い意気込みを語りました。
この作品は、大東亜戦争末期の特攻隊員たちが母と慕った「鳥濱トメ」の人生を描いています。特攻隊員たちが出撃前に通った「富屋食堂」を舞台とし、彼らが持つ家族への思いや夢、恋人への思いといった感情をリアルに描写しています。これにより、観客は彼らの苦悩や愛情に心を打たれるのです。
あらすじ
物語は、大東亜戦争の終わりを迎えている時代背景の中で展開されます。特攻隊員たちが辛い運命を背負いながら出撃準備を進める中、彼らは毎日「富屋食堂」に集まります。食堂の経営者である鳥濱トメさんは、心を込めて隊員たちを見守り、彼らの心の支えとなっていました。
特攻隊員たちは、トメさんに自分の母親を重ね合わせ、出撃前の最後のひとときを大切に過ごします。トメさんは彼らを見送りながら、彼らの気持ちに寄り添い、同時に彼女自身も大きな悲しみを抱えていたのです。このように、舞台は「特攻隊員」と「特攻の母」の心情を丁寧に描き出しています。
公演概要
本作は、アース製薬株式会社の特別協賛のもと、株式会社エアースタジオが主催・製作しました。
- 東京公演:2017年10月5日~10月9日
- 静岡公演:2017年10月18日
- 岐阜公演:2017年10月21日
この舞台を観ることで、観客は戦争の真実とそれに立ち向かう勇気を知る機会を得ました。これからも『MOTHERマザー』は、未来へ向けて重要なメッセージを発信し続けることでしょう。