ヤマハのタンザニア森林保全プロジェクトがウッドデザイン賞を受賞

ヤマハの森林保全プロジェクトが受賞

ヤマハ株式会社が実施する「タンザニアでの森林保全プロジェクト」が、一般社団法人日本ウッドデザイン協会が主催する「ウッドデザイン賞2024」を受賞しました。これは、ヤマハにとって初めての受賞となります。この賞は、木材の価値をデザインの力で見直し、優れた建築や製品、活動などを表彰するために2015年に設立されたものです。

持続可能な森づくりの取り組み

ヤマハは、楽器に欠かせない木材の持続可能な利用に向けて、森林保全の重要性を認識し、様々な活動を行っています。タンザニアでのプロジェクトは、「森づくりで、音楽文化を持続可能にするプロジェクト」という受賞名で、地域社会と協力しながら、楽器に適した高品質な木材を持続的に調達するための循環型の森林づくりを目指しています。

このプロジェクトは、2015年から開始されており、木管楽器の重要素材である「アフリカン・ブラックウッド」の生態や管理状況の調査を行ってきました。地元の行政や学術機関と連携し、植林技術の導入や土地の利用改善、および材料利用の技術開発を進めています。また、地域住民が主体となって苗木の育成や森林保全活動を行うための支援もしています。

地域と共に歩む

ヤマハの「おとの森活動」は、国内外で展開されており、北海道やインドでも実施されています。このような活動を通じて、地域コミュニティとの連携を強化し、森林保全の重要性を広めています。プロジェクトの一環として、地域コミュニティーと共に生態調査を行い、持続可能な形での森林管理を実現することを目指しています。

アフリカン・ブラックウッドで作られた楽器、特にクラリネットのような木管楽器は、音色に大きな影響を与えるため、その質の維持と供給が不可欠です。ヤマハは、この素材を守るための長期的なビジネスモデルを構築しようとしています。

ウッドデザイン賞の意義

ウッドデザイン賞は、木を活用した社会課題の解決を目指す「ウッドデザイン」の理念に基づいており、この活動を通じて木の良さや価値の再認識が期待されています。受賞を契機に、ヤマハはさらなる活動を展開し、エコロジカルな観点からも持続可能な未来に向けた努力を続けていくことでしょう。これからも木材を大切に使いながら、新しい音楽文化の形成に貢献していくことが期待されます。