エー・ディー・パートナーズが行う会社分割で不動産事業を再構築へ
株式会社エー・ディー・パートナーズ(以下、エー・ディー・パートナーズ)は、2025年11月25日に取締役会での決議を経て、2026年1月13日に「外部オーナー向けプロパティマネジメント事業」を吸収分割することを発表しました。この分割により、株式会社アーキテクト・ディベロッパー(以下、アーキテクト・ディベロッパー)に事業が承継されます。この動きは、グループ全体の企業価値を向上させるための重要な一手とされています。
会社分割の背景
エー・ディー・パートナーズは、主として外部オーナー向けおよびグループ向けのプロパティマネジメント業務を担っており、これまで当社グループの収益不動産事業の重要な一部を形成してきました。しかし、外部オーナー向けのプロパティマネジメント事業は、物件管理が差別化しにくく、価格競争が生じやすいという課題がありました。さらに、物件の規模の拡大に伴い、販売後の受託割合が減少する中で成長戦略も描きにくくなっています。
これらの状況を踏まえ、エー・ディー・パートナーズは企業価値向上のために事業ポートフォリオの最適化を進めています。外部オーナーが安心して資産を保有できる環境を維持しつつ、成長の見込める領域に経営資源を集中させることが必要とされていました。
会社分割の詳細
本会社分割は主に2つの部門に分かれて行われます。ひとつ目は、アーキテクト・ディベロッパーへの外部オーナー向けプロパティマネジメント事業の承継(本会社分割①)です。ここでは、エー・ディー・パートナーズが持つ資産や負債がすべてアーキテクト・ディベロッパーに引き継がれます。
二つ目として、エー・ディー・ワークス(以下、エー・ディー・ワークス)へのグループ向けプロパティマネジメント事業の承継(本会社分割②)が行われます。こちらは、エー・ディー・パートナーズが保有する物件の管理や医療モールに関する事業がエー・ディー・ワークスへと移管され、さらに成長を図ることが目的です。
これにより、グループの明確な経営戦略が見えてきます。エー・ディー・パートナーズは、外部オーナー向け事業の安定を図る一方、エー・ディー・ワークスは集中的な開発を行い、グループ全体の生産性向上を目指しています。
会社分割のスケジュール
本会社分割における重要な日程は以下の通りです。
- - 2025年11月25日:取締役会決議及び会社分割契約書締結
- - 2025年12月23日:株主総会決議(予定)
- - 2026年1月13日:会社分割効力発生日(予定)
この日程通りに進行することで、分割後も各社が安定した運営を続けられる見込みです。
今後の展望
本会社分割により、2026年12月期には特別利益を計上する見込みです。この特別利益は外部オーナー向け事業の対価から仲介手数料などを除いた金額として、17.4億円を上限に設定される予定です。最終的な金額は契約条件に基づいて2026年の7月以降に確定する見込みです。
エー・ディー・パートナーズのこのような戦略的動きは、株主や投資家の期待に応えるものであり、今後の業界の展開にも影響を与えると考えられます。グループ全体の企業価値向上と成長戦略の進展に注目が集まる中、この分割が実を結ぶことに期待が寄せられています。