ユニアデックスと神戸市、下水処理施設運営の効率化・高度化に向けたデータ活用共同研究を継続
ユニアデックスと神戸市、下水処理施設運営の効率化・高度化に向けたデータ活用共同研究を継続
BIPROGYグループのユニアデックスは、神戸市と連携し、下水処理施設運営における課題解決と業務の効率化・高度化を目指したデータ活用の共同研究を、2024年6月以降も継続することを発表しました。
この共同研究は、2024年1月から5月にかけて第一期が行われ、下水処理施設運営に必要なデータ解析・活用のための具体的な手法を検討してきました。第一期では、データ活用による一定の効果が認められたことから、第二期ではさらに踏み込んだ取り組みを進めていく予定です。
共同研究の背景と目的
多くの下水処理施設では、データがさまざまな端末や形式で分散して記録されており、業務に多くの工数がかかっています。また、業務の標準化が進んでいないために、ベテラン職員の経験に頼らざるを得ない状況があり、業務効率化が喫緊の課題となっています。
さらに、蓄積された膨大なデータを解析・活用することで、下水処理施設運営の高度化が期待されています。ユニアデックスは、システムやネットワーク構築・運用保守のITインフラ専門家として、データサイエンスをはじめとする豊富な知識と経験を有しており、これらの知見を生かして神戸市と共同研究を進めています。
共同研究(第二期)の内容
第二期では、第一期で得られた結果を基に、以下の2つの取り組みを進めていきます。
1. 下水処理施設のデータ活用による業務の標準化と高度化
第一期では、現状のシステム構成と課題を整理し、データ一元化による効果を試算しました。第二期では、以下の取り組みと期待される効果について検証を行います。
取り組み内容
さまざまな端末に分散しているデータを一元化するための課題抽出
小規模な環境構築を行い、下水処理施設運営の効率化・高度化を推進
期待する効果
職員が主務に集中できるようデータ収集などの付随作業を軽減
データの一元化により、データ解析にかかるデータクレンジングの時間を短縮
2. 消化ガス発生量最大化によるガスの有効活用
第一期では、ケーススタディーとして、下水処理で発生する消化ガス発生量のデータ解析を行いました。統計学的手法やAI(機械学習)を利用して、過去の運転データから消化ガス発生量と相関の高い因子を明らかにし、消化ガス発生量の最大化を算出するためのプロトモデル(制約付き最適化モデル)を作成しました。第二期では、以下の取り組みと期待する効果について検証を行います。
取り組み内容
最適化モデルの精緻化
実環境への運転パラメーター適用
期待する効果
* 消化ガス発生量増加によりガスの販売収入の増加
今後の展開
ユニアデックスは、本共同研究で得た知見を生かし、全国の下水処理施設をはじめ、多様で膨大なデータを扱う工場、施設の業務効率化・高度化を支援するためのデータ分析基盤やデータ分析サービスの提供の検討を進めていきます。
下水処理施設のデータ活用は、業務効率化だけでなく、環境問題への貢献にも繋がる重要な取り組みです。ユニアデックスと神戸市の共同研究が、下水処理施設の未来を大きく変える一歩となることを期待しています。