パナソニック、デバイスボンダーMD-P300HSの発売を発表
先日、パナソニック コネクト株式会社は、300 mmウエハー用の次世代デバイスボンダー「MD-P300HS」を2025年1月に発売すると発表しました。このデバイスボンダーは、独自の超音波技術を利用し、高度な半導体製造を実現する画期的なモデルです。
開発の背景
近年、AI、5G、IoTの普及とデジタル化が進む中、半導体の需要は急増しています。これに伴い、半導体製造においては生産性の向上が求められています。特に、半導体パッケージング技術の進化により、チップと基板はより薄型化が進み、従来の接合技術ではワークの反りや接続不良といった製造上の課題が浮上しています。そこで、パナソニック コネクトはこのような課題に対処するため、超音波技術を適用した新型デバイスボンダーを開発しました。
MD-P300HSの特徴
1.
超音波接合による生産性の向上
MD-P300HSは、低温での接合を実現します。これにより、デバイスへのダメージや反りが軽減され、品質確保のための熱圧着工法でのプロセス時間を従来の10秒以上から2秒以下に短縮することができました。これは非常に重要な要素です。
2.
実装精度の向上
従来の超音波技術に比べて実装精度が±5 μmから±3 μmに向上しました。これにより、FCBGAやFCCSPといった次世代半導体パッケージングの要求に応えることができます。
3.
接合品質の見える化
接合中の状態をリアルタイムでモニタリングできる機能を搭載しており、荷重や電圧、インピーダンスなどを管理することで、安定した品質管理が可能です。
機能詳細
MD-P300HSは、240 x 70 mmから300 x 101 mmの基板に対応し、最大300 mmの供給ウエハーに適合します。また、対象チップは2 x 2 mmから7 x 8 mmまで対応可能です。生産性はプロセスを含めて1チップあたり約3.8秒という迅速さを実現しています。
パナソニック コネクトの目指す未来
同社は、長年にわたって培った製造業の知見と先端技術を組み合わせ、半導体製造プロセスの革新に取り組んでいます。また、ウエハー処理からパッケージングまでの一貫したソリューションを提供し、高精度な実装技術と自動化システムを通じて生産性の向上とコスト削減を実現しています。
将来的には、自律的に進化し続ける工場「Autonomous Factory」の実現を目指し、より良いモノづくりの未来を追求しています。これにより、地域社会や産業に貢献することを目指しています。
結論
パナソニックの新型デバイスボンダーMD-P300HSは、半導体製造の世界において重要な革新をもたらすでしょう。この新技術が市場にどのように影響を与えるのか、今後の動向に注目です。