神栖市が実施する先進的な津波避難訓練
茨城県神栖市では、2023年3月15日(日)に地域全域を対象にした津波避難訓練が行われました。この訓練では、災害時の避難指示の効果的な伝達方法を検証するため、IoT(Internet of Things)技術を活用した家電機器を使用した実証実験が併せて行われました。
実証実験の目的と背景
災害時には迅速な避難が求められますが、身近な地域では情報の受け取り方に課題が残っています。テレビやラジオ、エリアメール、防災行政無線などによる通知の方法も存在しますが、機器の電源が切れていたり、音声が聞き放題であったりすることがあるため、避難指示が市民に確実に伝わらない可能性があります。
このため、神栖市では災害対策の一環として、あらゆる手段を駆使することが求められています。特に、2011年の東日本大震災では、神栖市内でも多くの被害が出ました。これを受けて、市は毎年避難訓練を実施し、地域の防災力向上に努めています。
実施内容と使用機器
今回の避難訓練においては、国立研究開発法人防災科学技術研究所(防災科研)、一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)、シャープ株式会社、リンナイ株式会社との協力の下、錯販される技術の統合が目指されました。具体的には、神栖市内に住む防災士の住宅に、IoTや音声発話機能を搭載したシャープ製の空気清浄機やリンナイ製の給湯リモコンを設置し、避難訓練中にそれらの機器から訓練情報の発話を行いました。
さらに、避難情報は防災行政無線や公式LINEなど他の伝達手段も併せて使用し、発話内容も地域に応じて異なる情報を伝えるように考慮されました。こうした多様な手段により、災害時の情報伝達の精度と信頼性の向上が期待されています。
今後の展望と成果の共有
訓練実施後は、参加した市民へのフィードバックヒアリングを行い、IoT技術を利用した家電の発話機能が、災害時の情報伝達手段としてどの程度効果的であるかを確認する予定です。また、JEITAによってはマルチベンダーのIoT機器データを活用したプラットフォーム「イエナカデータ連携基盤」の標準化が進められており、今回の実証実験から得た成果を基に、さらなる防災対策の向上に繋げたいと考えています。
この取り組みは、内閣府が支援する戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の一環として実施されており、「スマート防災ネットワークの構築」を目的としています。今後も神栖市は、地域に根ざした防災対策を探求し続け、より安全な住環境を目指していくことでしょう。