大東建託が施工現場のDX化を推進
大東建託株式会社は、施工現場のデジタル化(DX化)に向けて自社で開発した「匠アプリ」の利用を本格的に推進することを発表しました。このアプリは、協力会社の作業員が現場の情報を効率的に共有し、危険予知活動を支援するためのものです。2026年5月から本格的な推進が始まります。
匠アプリの機能と効果
「匠アプリ」は、現場管理に必要な多くの機能を備えています。GPSを利用した入退場管理、品質記録のための写真の撮影・保存、資材の搬入予定や配送状況の確認、さらには危険予知活動の作成と共有が可能です。このように、現場の情報を一元的に管理できるツールとして設計されています。
大東建託は、2022年に建設現場の生産性を向上させ、2024年問題への対応を強化するためにこのアプリを開発しました。従来、作業員は危険予測やその対策を紙に記入して現場監督に提出しなければならず、その結果、情報の伝達に時間がかかるだけでなく、生産性にも影響を与えていました。また、巡回管理の現場が多く、RKY(リスク・危険・予知活動)の状況も確認するのが困難でした。
このアプリの導入により、ペーパーレス化が進むと同時に、作業開始前にリアルタイムで実施内容を確認できるようになります。従って、業務の効率化が進むことが期待されています。
課題とインセンティブ制度
しかし、2025年度に約6万人の作業員が参加した現場でも、アプリの利用率は約50%にとどまりました。これは協力会社の作業員へさらなる浸透が課題であることを示しています。そのため、大東建託ではインセンティブ制度を導入し、アプリを利用してRKYを実施した作業員にポイントを付与。そのポイントを商品や電子マネーと交換できる仕組みを設け、利用促進を図る方針です。目標は、2026年度内に利用率80%の達成です。
DX化が求められる建設業界
最近の建設業界では、時間外労働規制の強化により業務の効率化が急務とされています。大東建託はこれまでにも、遠隔支援アプリによるリモート検査など、さまざまな施策を導入し、業務負担の軽減を目指してきました。現在は「AI現場監督」の構想のもと、工程管理や予算管理、品質・安全管理をAI化する取り組みを進めています。
2028年までに業務効率を20%向上させることを目標に、具体的には当日の作業内容や過去の労災事例に基づいて、安全指示内容をAIが作成補助する仕組みを今年度中に構築します。これにより、現場の安全性も同時に向上させる目論見です。
未来への取り組み
大東建託は今後も、協力会社と連携しながら、DXを活用した「安全で持続可能な建設現場」の実現に向けたさまざまな取り組みを続けていく予定です。今回の「匠アプリ」の利用促進施策もその一環であり、建設業界の未来を見据えた重要なステップといえるでしょう。